アメリカ時間の2018年3月5日(月)にGoogleが新しい量子プロセッサ「Bristlecone」を発表しました。一般的なコンピューター用のプロセッサでは「0」「1」の状態を1ビットに持つことになりますが、Bristleconeは「0」「1」の情報を同時に持つ「重ね合わせ状態」の量子ビットを72個搭載しています。Googleによると、同プロセッサを使用することで、従来型のコンピューターの限界を超える計算処理が量子コンピューターで可能になることを示す「量子超越性」を実現できるようになるとのことです。

Research Blog: A Preview of Bristlecone, Google’s New Quantum Processor

https://research.googleblog.com/2018/03/a-preview-of-bristlecone-googles-new.html

Googleが目標としていることの1つに「量子コンピューターの実現」があります。量子コンピューターには「0」「1」を同時に持つことができる代わりに、量子ビットの状態を正確に観測する方法が定まっておらず、「量子ビットの状態を見るための量子ビットを用意する必要がある」とされています。このため、従来のスーパーコンピューターを上回るシミュレーションを実現するには、量子ビットを大量に用意する必要があり、さらに計算処理などにおける量子ビットの誤り率を低くする必要があるとしています。

「Bristlecone」は量子ビットの誤り率と性能を計測するためのテスト用プラットフォームを提供することを目的としており、量子シミュレーションや機械学習などのアプリケーションに適しているとしています。



Googleでは以前量子ビットの誤り率について計測しており、読み出しで1%、量子ゲートを使った論理演算においては、単一の量子ビットで0.1%、2量子ビットで0.6%であると示しています。Bristleconeは読み出し処理と論理演算処理で同じ処理方式を採用しており、72量子ビットを搭載しています。Googleは量子超越性を示すためには49量子ビット必要であるとしていましたが、72量子ビットを持つBristleconeを選択した背景には、今後さまざまな技術的課題に直面した場合に備えて拡張性を確保しているのかもしれません。

GoogleはBristleconeが大規模な量子コンピューターと量子超越性の実現につながると自信を持って伝えています。しかし、これらを実現するためにはソフトウェアや制御用電子機器などとの連携を深める必要があると述べており、今後も慎重に開発を進めていくとのことです。