やりたい仕事をもっと探すべきなのでしょうか?(写真:tkc-taka / PIXTA)

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現在、自動車整備士としてディーラーで働いています。仕事の内容や人間関係などから辞めようと思い転職活動を始めました。
違う内容の仕事がしたいのと同時に、実家からではなく県外で働きたいと探したところ、食品加工の仕事でいい返事がもらえました。ただ、周りからはそれが自分のしたいことなのか、そこでいいのか、少し冷静に考えろ、などと言われました。
仕事の内容は正直やりたいというわけではなく、また給与や待遇がそこまでいいわけではないのですが、仕事の内容が未経験でもやりやすいことと、自分のためにアパートの部屋をいくつか探してくれたりと、会社の人がいい人たちだと思いました。
ほかにもやりたい、やってみたい仕事はあるのですが、それが実現できるのか不安でもあります。
向いているかどうかわからないけどやりたい仕事をもっと探すべきなのか、今返事をもらってる会社で働くべきなのか、迷っています。
自動車整備士 カマタ

今は攻めの時期ではなく、守りの時期だ

今オファーを貰っている会社で良いか否かはカマタさんが現在の職を辞めようと思ったきっかけによります。


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頂戴した文章を拝見するに、カマタさんは現在の職場における人間関係に嫌気がさし、なおかつ現時点においては「これだ」と思える仕事が特段あるようには思えません。

前者について考えると、カマタさんにとって仕事をするうえで人間関係や環境が非常に重要であるということが想像されます。したがって、仕事を選ぶ際には同僚や上司とご自身との相性であったり、ご自身が働きやすいと思えるような環境であることが前提条件となるでしょう。

そこに問題がある職場だとすると、再度同じことになりかねず、また人間関係に嫌気がさして転職を繰り返すようになってしまいます。

もちろん、そうだとしてもやりたいという確固たる信念を持てる仕事があればよいのですが、現在のカマタさんはそういった状況ではないものと思われます。

そのようなときに、考えるべきは「攻め」ではなく「ディフェンス(守り)」です。

仕事とは社会人であれば誰もが長期で向き合わなければならない対象です。自分自身がやってみたいと思えるあこがれの仕事があればチャレンジという意味での攻めのキャリア構築が正解でしょう。

ただし、誰もがそういった対象となる仕事が念頭にあるわけでもないのも事実です。

その場合はディフェンス、つまり労働市場という長期で滞在せざるをえない場において自分自身がいかにサバイブするか(生き残る)を考えるべきです。

仮に人間関係がご自身で仕事を選ぶうえで最優先の事項であり、その人間関係に問題があるのであればそこに問題のない会社に移り、精神的なストレスから解放された状態で仕事を継続することも当然アリです。

そのうえで、その移った会社で最大限の努力をしつつ、自分にとっての仕事の意味合いなどを考え、今後のキャリアをどう形成していくかを考えましょう。

キャリア構築が長期で考えざるをえない以上は、攻めの期間やディフェンスすべき時期やタイミングを誤ってはいけません。

やりたいことが明確でないカマタさんにとって、今は攻めの時期ではなく、守りの時期です。

やりたい仕事は探しても出てこない

体や心がきちんとしていての社会人生活ですから、仮に人間関係がもう辛抱がならないほどのレベルであればいったん会社を移り、自分に合った環境で努力をしてみることも大切です。

これは逃げでは決してありません。長期を見据えた行動です。

そのうえで今度は攻めの展開につなげられるように、新たな会社で結果を出す努力をするのは当然として、中長期的には仕事を選ぶうえでのご自身の中での優先順位を明確にしましょう。

なお、「やりたい仕事を探すべきか」と書かれていますが、やりたい仕事はいくら探しても出てきません。

やりたい仕事や面白い仕事は、目先の仕事を通じて自分で形成していくものです。現状の仕事を通じて、やりたいと思える仕事の特徴ややりたくない仕事の特徴などを価値観として形成していくしかありません。

現在カマタさんにあるのは、「面倒な人間関係」というやりたくない仕事の基準だけです。今度はやりたい仕事の基準や優先順位を自分で作っていきましょう。

そのためにも、まずは落ち着いて仕事に専念でき、ご自身の将来を考えられるような会社にいったん移り、そこでの努力を通じて自分にとっての理想の仕事像を固めていくことが動きとしてはよいと思います。

キャリアもご自身の考え方も流動的な要素が強いのが事実ですから、立ち止まるよりは行動を通じて探求したほうがいいときもあります。

カマタさんがそういった探求を通じて将来理想とする仕事を見つけることができることを応援しております。