井上尚弥、ジェイミー・マクドネル【写真:Getty Images】

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過去10年間無敗の王者マクドネル、米メディアは不利予想「不安な任務になる」

 プロボクシングのWBO世界スーパーフライ級王者・井上尚弥(大橋)が5月25日(大田区総合体育館)にWBA世界バンタム級タイトルマッチ12回戦で、WBA同級王者ジェイミー・マクドネル(英国)に挑戦することが決まった。全17カテゴリーのボクサーを比較する格付け「パウンド・フォー・パウンド(PFP)」で10傑に選出されるモンスターとの防衛戦に挑むマクドネルについて、米メディアは「世界タイトルを危険に晒す」「不安な任務」と報じている。

 3階級制覇を目指す「The Monster」の挑戦状を受け取ったマクドネル。しかし、王者にとってもあまりにリスクの高いバトルのようだ。米スポーツ専門局「ESPN」電子版は「ジェイミー・マクドネルが日本でのナオヤ・イノウエ戦で世界タイトルを危険に晒す」と特集している。

 WBAバンタム級の正規王者の31歳はキャリアで29勝2敗1分け。2008年3月以降、黒星を喫していない。だが、記事では「マクドネルは過去10年間、無敗だが、すでにライトフライ級とスーパーフライ級で世界タイトルを手にしているイノウエとの対戦は不安な任務になる」と分析している。

 井上は強さゆえの代償もあり、スーパーフライ級で他団体の王者と対戦が決まらず、統一戦を実現できなかった。モンスターの挑戦を受ける勇気を示したマクドネルも、井上戦は不利と予想されているようだ。さらに、マクドネルがツイッターで表明した井上戦の決意を紹介している。

マクドネル陣営も厳しい戦いを予期…トレーナー「巨大な試合」「タフな任務」

「ナオヤ・イノウエというパウンド・フォー・パウンド最強の1人を相手にWBA世界タイトルを防衛するために、我々は日本に向かうことになる。これが地球で最強のバンタム級で、最強の君を相手に最強の自分が示すための試合になるだろう。自分は5月25日にそれを証明するだろう」

 7歳年下の井上に対する敬意を忘れずに、闘争心を伝える英国紳士らしい決意表明となっている。一方、マクドネルのトレーナー、デイブ・コールドウェル氏もツイッターで、井上相手の厳しい戦いを予期している。

「ジェイミー・マクドネルは日本に向かい、リングマガジンのP4P(パウンド・フォー・パウンド)で8位のナオヤ・イノウエとWBA世界バンタム級タイトルを防衛するために日本に向かう。巨大な試合だ。そうだ。タフな任務だが、我々は訓練のために行くのではない! 東京での勝利で、ジェイミーはついに彼の功績に相応しいスターになるのだ」

 コールドウェル氏は強敵を撃破することで、教え子が文句なしのスターの高みに到達できると主張している。モンスターとマクドネルの一戦は、早くも海外で大きな注目を集めている。(THE ANSWER編集部)