片側置換手術用の人工膝関節

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 ジンマー・バイオメット(東京都港区)のトップに18年1月就任した松本政浩社長に、国内市場の展望や今後の事業方針を聞いた。

 ―就任の抱負は。
「16年2月に旧ジンマー、旧バイオメット・ジャパンが統合して2年が経過した。今まで文化やシステムの融和に取り組んできたが、今後はワンチームとして成長に取り組む」

 ―国内の人工関節市場の見通しは。
 「市場の伸びは年率2―3%程度。日本の人工関節置換手術の件数は米国の約9分の1と少ない。日本は関節の痛みを我慢して、ヒアルロン酸注射やサプリメントを摂取するケースが多い」

 「米国では人工関節のメリット、デメリットがすでに広く知られている。日本では手術への漠然とした恐怖心から、引いてしまうのではないか。それを変えたい」

 ―拡販策は。
 「患者が一番信頼するのは“口コミ”だ。啓発活動に力を入れていく。身近に人工関節を使用している人が増えてくれば、相乗効果で市場も広がる」

 「昨年、NTTロジスコ(東京都大田区)と緊急配送業務で提携した。新製品の投入など製品群を拡充するとともに、成長に伴って営業体制、サービスの質も高めていく」
(聞き手=村上毅)

5年後売上高1000億円へ
 ジンマー・バイオメット(東京都港区、松本政浩社長)は、売上高で年率2ケタ成長を目指す。主力の人工関節で新製品を投入していくほか、整形外科領域の再生医療、手術ロボットなど新分野の事業化に力を入れる。5年後の2023年に売上高を現在の600億円弱から1000億円に引き上げる。

 松本社長は「市場の伸びを上回る年率10%成長を狙いたい」とし、研修や採用を通じて営業組織を強化する。

 新製品も投入する。17年に発売した膝関節の片側を人工関節に置き換える片側置換手術用の人工膝関節を、今年から全国発売する。「手術の傷を小さくでき、靱帯(じんたい)も温存できるため自然の動きに近い」(松本社長)。また、全置換手術用製品2品も年内に市場投入を計画する。

 新分野として再生医療製品の多血小板血漿(けっしょう)(PRP)療法の普及を目指すほか、手術を正確・安全にできるロボットも薬事申請の準備中で、「人工関節や脊椎、てんかんなどで応用を進める」(同)。

 ジンマー・バイオメットは人工関節や骨接合材料を手がける米ジンマー・バイオメット(インディアナ州)の日本法人。16年2月に設立した。人工関節で国内首位。