1か月の雑誌購入金額は110円!? 週刊誌や雑誌、書籍の支出額をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編))(最新)

具体的なデータの取得元は、家計調査報告・家計収支編内の【「4.詳細結果表 e-Stat」内の「二人以上世帯」から「月次」】を選ぶ。単身世帯は消費性向が大きく異なるため、今回は取り上げない。該当ファイルは最新月の2017年12月における「<品目分類>1世帯あたり年間の支出金額、購入数量及び平均価格 4-1 全国 二人以上の世帯」。
対象となる書籍関連のデータは、「9.3 書籍・他の印刷物」及びその下部層部分「850-859」。世帯平均構成員数(2.98人)が提示されているので、新聞以外の一人あたりの額なども計算しグラフ化する。新聞を除いたのは、新聞は通常世帯・月単位で購読するため、一人あたりの数字を出しても意味を持たないから。なお直近のデータでは、調査世帯数は7671世帯、世帯平均構成員数は2.98人、18歳未満人員は0.55人、有業人員(働いている人)は1.34人などとなっている。
↑ 2017年12月における二人以上世帯の平均支出金額(円)、購入世帯率、購入世帯頻度

↑ 2017年12月における二人以上世帯の”一人あたり”平均支出金額(円)
項目名で補足をしておくと、「購入世帯率」は純粋に購入者が一人でもいた世帯の割合。1世帯内で複数の人が購入していても、購入世帯としては1件としてカウントする。そして「購入世帯頻度」は世帯単位での月あたり購入頻度。例えば特定の世帯において12月中に誰かが2回雑誌を購入すれば、その世帯の購入世帯頻度は200%になる。非購入世帯も含めての計算であることに注意。また今回参照したファイルは2017年12月分であるため、その一か月分のみでの値であることにも留意されたい。
これらのデータから読みとれる(2017年12月時点における)傾向は次の通り。
・「世帯購入ルートで」一人も新聞を読んでいない(二人以上の)世帯は1/3以上に達している。
・雑誌や週刊誌を一人も購入しない世帯は約4/5。購入する人がいる世帯は、月2回近く買い求めている(35.0%÷19.9%≒1.75)。
・一人あたりの週刊誌や雑誌購入金額は109円73銭。通常の週刊誌の価格は200円後半から300円なので(例えば週刊少年マガジンは税込270円)、平均して月に1冊も買われていない計算になる。4か月でも1冊強(2冊には及ばない)。世帯レベルで計算しても、ようやく1冊/月程度。
・雑誌や週刊誌を一人も購入しない世帯は約4/5。購入する人がいる世帯は、月2回近く買い求めている(35.0%÷19.9%≒1.75)。
・一人あたりの週刊誌や雑誌購入金額は109円73銭。通常の週刊誌の価格は200円後半から300円なので(例えば週刊少年マガジンは税込270円)、平均して月に1冊も買われていない計算になる。4か月でも1冊強(2冊には及ばない)。世帯レベルで計算しても、ようやく1冊/月程度。
新聞は月ベースで頼んで配達してもらう以外に、駅売りなどで時々購入しているパターンもある。その場合、家計には把握・算出されない場合が多い(サラリーマンの場合は自分のこづかいで買うため、家計としての計上は難しい。多分に「世帯主こづかい(使途不明)」の一部に収められているものと考えられる)。そのため「新聞購入」のみを確認する今件データと比べると、実情ではもう少し上乗せされることになる。
今データを見る限り、とりわけ雑誌の購入額・頻度の少なさには、あらためて驚かされる。仮に週刊誌を1誌、毎週購入したとすれば、1か月で1100円程度(上記の週刊少年マガジンを購入したとして、270円×4週=1080円)。二人以上世帯の構成員に限定されるが、週刊誌を定期購入している人が1人いれば、その人に連動する形で9人近く(8.84人)の「1か月間雑誌や週刊誌は何も買わない」が存在して、ようやく平均値に達する計算になる。

↑ 仮に一人が週刊誌を毎週1冊ずつ買っていれば、他の8.84人は一冊も買っていない計算
もちろんこれは二人以上世帯のみの話で、趣味への購入性向が高い単身世帯では、もう少し上乗せした値になる。とはいえ、世帯全体において多分を占める二人以上世帯の実情としては、目をそらしたくなる現実でもある。
ここまで雑誌や週刊誌への出費が減っている理由としては、インターネットやモバイル端末の普及による、情報取得元の多様化が挙げられる。移動中における「時間つぶし」のツールが多数用意され、週刊誌や雑誌を選ぶ必要性が薄れたのが大きな要因。通勤時間帯の電車を見回して、どれだけ週刊誌を読んでいる人がいるか、一方でモバイル端末の類を操作している人がいるか、確かめて見れば、その現状がよくわかる。
次の機会以降の記事では、家計調査報告の値を元に、主に年次ベースでの動向を確認していく。その中で雑誌や新聞などに関する、月毎の差異を考慮しなくてもよい、複数年間にわたる動向を確認可能なものも紹介する。社会生活の変化を、支出金額の面から推し量ることができよう。