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Dekalb Market Hall

フードコート

アメリカ/ニューヨーク

住所:445 Albee Square W, Brooklyn, NY 11201

電話:+1(929)359-6555

営業時間:7:00 am-10:00 pm

NYで注目の最新フードコート「Dekalb Market Hall」 パストラミサンドにハーフサイズが登場した



ファッション業界で“ライフスタイル提案”という言葉が聞かれるようになって久しい。洋服だけ買って満足しているような人はいなくなってしまったのだ。洋服が売れなくなったので、生活全般に商売の領域を広げようという試みなのだが、最近はその頼みの綱のライフスタイルというやつそのものがまた変容してきている。

いささか乱暴な言い方だが、世の流行はその端緒がどこであろうとNYで花開く。ポートランドの小商いも古くはビート文学も。あらゆることがこの世界一の都会で一大ムーブメントと化する。

ということは、NYのライフスタイルが今後の流れを占う意味で注目されるのだが、もう衣食住の衣がすっかり存在感をなくし、ずばり食が主役となった。ちょっと前まではNYを訪れる前に、友人・知人たちにチェックすべきポイントを尋ねると、ニューオープンのショップなどがその大部分を占めていたのだが、最近はもっぱら飲食に関するアドレスが取って代わった。そして特に皆が話題にするのが最新のフードコート情報だ。





例えばウェストサイドのヘルズキッチンにある「Gotham West Market」。一階がフードコートで上階は高層レジデンス。日本でラーメンに開眼し、外人のつくるラーメンとして話題になった「アイバンラーメン」も逆輸入的に出店している。

ベンダーは何度か入れ替わっているが、当初は「ブルーボトルコーヒー」があったり、ブルックリンの食材や調理器具を扱ういわば食のセレクトショップ「The Brooklyn Kitchen」も入っていたり、かなり感度が高い。今でも自転車屋が入っていたりする。

また、グラウンド・ゼロ至近の金融センターを擁する「Brookfield Place」には、「Hudson Eats」というフードコートがあって、スシバーやグルメバーガー、プレミアムサラダなど、現代的で多彩なメニューを揃えている。高級住宅に住む人たちのライフスタイルを反映し支えるフードコート。最先端のビジネスマンの胃袋となるフードコート。ある意味象徴的存在だと言えるだろう。

そして観光名所として知られる「カッツ・デリカテッセン」。パストラミサンドが有名だが、そのボリュームたるや日本人が一人で食べるには十分過ぎる。連れと半分ずつシェアすることになるのだが、なんと最初からメニューにハーフサイズを用意しているカッツが存在する。



ブルックリンの「Dekalb Market Hall」はカッツが出店者をとりまとめるアンカーベンダーとなっているのだが、もちろん自らも店を構えていて、ここにパストラミサンドハーフとスープのセットがある。ここは他にもハンバーガーやラーメン、寿司などのアジアンエスニックはもちろん、クラフトビール、コーヒーと現在のNYの食のシーンを余すことなく網羅している、今一番楽しめるフードコートだ。さすがカッツ、老舗にして新世代はちゃんと時代にキャッチアップし、そしてリードしている。ちなみに同じ階にはお土産探しで日本人にも人気急上昇のグローサリー・ストア「Trader Joe's」もあって見逃せない。

そのほかチャイナタウンの「Canal Street Market」は雑貨や洋服の展開もある総合ライフスタイル的フードコート。グランドセントラル駅構内にもフードコートはあるし、NYのライフスタイルの「今」を知りたければ、まずフードコートを目指すべし、なのである。





梶原由景(かじわらよしかげ):幅広い業界にクライアントを持つクリエイティブ・コンサルティングファームLOWERCASE代表。デジタルメディア『Ring of Colour』などでオリジナルな情報を発信中。

※『デジモノステーション』2018年3月号より抜粋。

text梶原由景