中国料理は、食のリベラルアーツだ

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成功しているリーダーたちに共通するのは読書家であること。なかでも中国古典に傾倒する経営者は今も昔も少なくない。そんな彼らは、食においても中国料理好きが多いという。中国料理の奥深さを知ることで見えてくるものがあるのだろうか。

【食を制す者、ビジネスを制す】


リーダーたちが読む中国古典に学び、彼ら御用達の中国料理店に行ってみる



成功しているリーダーはよく本を読む


成功しているリーダーというものは、例外なく読書家である。多忙を極める毎日にもかかわらず、よく本を読んでいる人が多い。例えば、ユニクロの創業者である柳井正氏は経営書や企業の成功物語などを数限りなく読んできた読書家の一人だ。

東京や大阪といったビジネスの本場とは異なり、創業の地は山口県宇部市。言うまでもなく地方は商圏が小さく、大都市圏と比べ刺激も情報も少ない。柳井氏は30代で経営を任されたとき、経営でわからないところは、専門家にも聞いたが、主に本を読んで学んだという。例えば、『プロフェッショナルマネジャー』(ハロルド・ジェニーン著)、『マネジメント』(ピーター・F・ドラッカー著)、『コンピュータ帝国の興亡』(ロバート・X・クリンジリー著)、『ユダヤの商法』(藤田田著)、『マクドナルド わが豊穣の人材』(ジョン・F・ラブ著)……といった経営書だ。柳井氏は気になった部分に線を引いたり、手帳に書き移したりして、何度も何度も読み返した。そして、理論と実践を繰り返しながら、経営者としての想像力を拡げ、企業を成長させていったのである。


人間の動かし方が学べる中国の古典


そんなリーダーたちは経営書だけでなく、歴史小説などもよく読んでいる。例えば、司馬遼太郎や塩野七生(『ローマ人の物語』の著者)の本は、リーダーたちに人気がある。ビジネス誌の読書特集の際には、必ずと言っていいほど登場する作家たちでもある。

なぜリーダーは、司馬遼太郎や塩野七生などの歴史モノをよく読むのだろうか。それは、本の主人公が組織を動かす人間であり、様々なキャラクターを持った人物が登場する中で、リーダーがそのキャラクターたちをいかに動かして活かしていくのかがシミュレーションできるからだ。リーダーたちは、歴史上の人物に自分を投影させながら、こんなときにリーダーはどう考えているのか、または、こんな敵にはどう対処すればいいのか。さらに組織はどのように栄えて、いかに滅んでいくのかを学んでいるのである。

組織を率いていくということは、よほど人間というものを知っていなければならない。戦前、安田財閥の総帥だった安田一氏は、父から薦められて、大学は経済学部ではなく、文学部の中国文学科に入った。それは、財閥のような大組織をリーダーとして率いていくうえで大事なのは、カネ勘定ではなく、いかに人心を掌握するかにあったからだ。

そのためには、人を動かすヒントがたくさん盛り込まれた中国の古典を勉強することが何よりも先決だった。それこそが、帝王学と言われるものであり、安田氏は、帝王学を究めた昭和天皇を何よりも尊敬していたという。ほかの財閥も似たようなもので、三菱財閥の総帥だった岩崎小弥太氏も、ビジネスの第一線で活躍しているなかで、中国古典のプライベートレッスンを受けていたという。

リーダーたちが好む中華料理の名店に行ってみる


出典:ハツさん

出典:ハツさん

中国の古典と同様に、中国料理も奥が深く、経営者を始めとしたリーダーたちも中国料理好きが多い。例えば、六本木にある「中国飯店 六本木店」はリーダーたちが好む名店の一つだ。この店は上海蟹が名物だが、何でもおいしく、ほかの店とは一味違うプロフェッショナルな技を感じることができる。名の知れた高級中国料理店だから、私も最初はハードルが高く感じられ、勇気を出してランチの時間に入店したことがある。

そのときは夏だったので、注文したのは冷やし中華だった。これが何ともうまかった。麺と具材がきれいに盛られ、タレは自分でかけるようになっている。それも醤油ダレとゴマダレが2つついてきたので、どちらで食べるか迷った。そこで、私は直接タレをかけずに、つけ麺のようにタレに麺と具をつけながら交互に楽しんだ。間違っている食べ方かもしれないが、やはり中国飯店はおいしいと感動したことを覚えている。

ディナーで食べるときは、アラカルトでもいいが、やはりコースをお薦めする。アラカルトだといつも自分が食べているスタンダードな料理を注文しがちになる。日頃食べたことがない料理と出会うには、コースのほうがいいし、値段もかえって割安だ。中国飯店のコースは8,000円(税別)からスタート。私の場合は必ず麺類かチャーハンで〆るので、コースを選ぶときは、〆のメニューを見て決めることが多い。紹興酒を飲みながら、少しずつ食べていると、次第にお腹も満腹になっている。コースは量もちょうどいいのだ。