溶接科で学ぶ女性受講者。受講者数は延べ20人以上に

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 新潟県立三条テクノスクール(新潟県三条市)で溶接を学ぶ女性が増加している。女性の正規指導員が就任したのを機に受講者が徐々に増え始め、新たな受講者を呼び込む好循環が生まれつつある。地場産業の担い手となる人材の確保・育成が大きなテーマとなる中、実践的なスキルや知識を習得した“溶接女子”への注目が今後さらに高まりそうだ。

 新潟県立三条テクノスクールは新潟県が設置している職業能力開発校で、金属加工業が盛んな三条市にある。施設内には約150人の訓練生がモノづくりに関する職業訓練を受講している。

 新卒者を対象とする長期間の普通課程に対し、離職者らが半年間、技能や知識の習得に取り組むのが短期課程だ。その一つの溶接科で、女性の受講者が大幅に増えている。

 契機となったのは、女性の正規指導員として赴任した榎本静香さんが、2015年度から溶接科で指導を始めたこと。それまでは女性の受講者は年間1人程度だったが、ハローワーク向けに女性の指導員がいることをチラシでPRしたところ、16年度の3期生には2人が入学。その後もコンスタントに女性が受講している。

 18年2月に入学した17年度の4期生は、8人のうち半数を女性が占める。年齢や職歴はさまざまだが、「もともとモノづくりに興味があった。溶接のスキルを身につけたいと思った」「基礎から学んで資格を取れるのが魅力」などと、受講者の意欲は高い。

 現在、溶接科の女性の受講者は延べ20人以上となった。女性の受講者が増えたことで「溶接は難しく男性向け」というイメージが変わり、さらに関心を高める効果が生まれている。榎本指導員は「実際に作業を体験してみると『自分にもできる』と感じる女性が多いようだ」と分析する。

 燕三条地域は、刃物や洋食器などの産地として知られる。テクノスクールのOGは、こうした地場産業の新たな担い手になり得る存在だ。

 ただ人材の多様化に向けて女性の活用を推進する企業が増えているとはいえ、生産現場での活躍は他部門に比べると遅れがち。「これまでの受講者が就職先で活躍してくれれば、テクノスクールで学んだ人材を求める企業がさらに増えるはず」(榎本指導員)と、好循環の創出に期待している。
(文=新潟支局長・古谷一樹)