あぁ、ちゃんとした和食が食べたい、しかもお手ごろだと、さらにうれしい……。本企画ではそんな、きちんとしいているのに敷居が高くなく、満足感&充実度の高いお値うち和食を、厳選ご紹介します。味やボリューム、アイデアも脱帽もの。和食は高嶺の花じゃない!

セキハナレ(最寄駅:世田谷駅)

食べ手を惹きつける、自由で伸びやかな感性

出典: https://matomeshi.jp/articles/1704

『セキハナレ』の「セキハナレおまかせコース」 5400円
【椀物】小淵沢・とうもろこしと豆乳の冷たいスープ
【前菜】小淵沢・夏野菜と白味噌のカポナータ
【お造り】鹿児島・黒むつ大分・関いさき
【デザート】岡山・シャインマスカットの白和え

「旬の味をたっぷり食べられて、とにかく楽しんでもらえる料理を提供したい」と店主・川久保賢志さん。
もともと自由な発想で定評のある彼だが、コースではさらに伸びやかに表現している感がある。

たとえば前菜では、トマトピュレに白味噌を加えたカポナータ風の一品が、強肴にはフィレオフィッシュサンドが、〆にはごぼうのジャージャー麺までが登場。
皿を重ねるごとに楽しさが膨らむこのコース約10皿5400円というお値うち感も嬉しいかぎりだ。

日なた(最寄駅:三鷹駅)

真摯に素材に向かい合う、端正な味わい

出典: https://matomeshi.jp/articles/1705

『日なた』の コース 3500円
【先付け】そうめん南京赤芋茎とモロヘイヤのお浸し
【お造り】〆鯖、紅葉鯛昆布〆鮪赤身と中トロ
【椀物】牛しゃぶと青紫蘇の玉子あんかけ
※要予約・内容は日により異なる

「いい素材をいじくりまわさず、素直な調理法で提供したい」という料理は、きちんと仕事がされた正統派。
料理を出すタイミングまで心配りされている。

アラカルトもいいが、そんな料理がコース3500円で味わえるのは少々驚き。
先付けと三種のお造りに始まり、季節の果物と野菜のサラダ、揚げ物や上等な牛しゃぶ肉を使ったお椀。
南部鉄鍋の炊きたてご飯まで。再訪したくなるのは間違いない。

松まつもと(最寄駅:中目黒駅)

お椀、お造り、季節の野菜。その心遣いにも満足

出典: https://matomeshi.jp/articles/1706

『松まつもと』の「桃(八品)」4800円
【前菜】野菜の造り
【お椀】鮎、ミニフルーツトマト、京都の栗麩、じゅん菜
【旬の魚のお造り】北海道・大黒さんま明石・タコ三宅島・釣りカンパチ
【おきまり】玉蜀黍(とうもろこし)の胡麻豆腐

八品4800円のコースは実にお値うちだ。
コース以外のお客さんも必ず食すという、お造りとお椀は中でも人気。

魚マイスターでもある店主の松本さんが産地にもこだわり選ぶ旬の魚は、ひと味もふた味も違う。

この日のお椀には鮎やミニトマト、京都の粟麩、じゅん菜が入って、ほっこりお出汁も味わえる。
彩り豊かに季節の野菜も盛り込まれ、丁寧に仕事がされた料理には、自然と顔もほころぶはずだ。

京橋 酛|もと(最寄駅:京橋駅)

旬の素材になされた、心憎い足し算と引き算

出典: https://matomeshi.jp/articles/1707

『京橋 酛』の 「酛コース」 7000円
北海道産フロマージュブランと桃の酒蒸し・かつお漬けの握り
焼きなすと太刀魚の山椒焼き、炙りウニ
埼玉県産麦豚の炭火焼き

料理長の上野さんが作る料理は、一品一品に驚きと楽しさがあり、うれしい。

たとえば前菜に、北海道産フロマージュブランとピンクペッパーがあしらわれた桃の酒蒸し。
焼きなすを太刀魚で包んだ山椒焼きに、炙ったウニが載った一品など。
旬の食材を大切にしながら、足し算引き算の加減がいい。

ここに寄り添う日本酒を選んでくれるのが店主の鈴木隆之さん。
生産者への愛がこもった、明るくも誠実なトークがまた楽しい。

雷庵|ライアン(最寄駅:渋谷駅)

落ち着いた空間で、ゆったり目と舌を楽しませる

出典: https://matomeshi.jp/articles/1708

『雷庵』の 「美竹」 6000円
【お造り三種】北海道の水ダコ、鹿児島の生本マグロとイサキ
【八寸五種】青豆とかぼちゃ・湯葉の和え物、金時草ニシン旨煮ほか
【焼き物】妻有ポーク
【蕎麦】せいろ蕎麦

アラカルトも魅力で用途に合わせられるが、緩急に富む6000円のコース「美竹」が充実している。
先付けから、お造り三種、八寸五種、中皿、焼き物、せいろ蕎麦、最後の甘味まで続く料理は、多彩で目も舌も楽しませてくれる。

大皿に並ぶ八寸五種に箸を遊ばせるのも楽しみだし、こちらのウリのひとつである、少し粗挽きの手打ちの蕎麦に粋を感じるのもいい。
まぜ蕎麦や天せいろなどさまざまに変更も可能だ。

蕎麦割烹 くらた(最寄駅:武蔵小山駅)

手仕事が光る蕎麦割烹を、リーズナブルに

出典: https://matomeshi.jp/articles/1709

『蕎麦割烹 くらた』の 「睡蓮」 5940円
【椀物】冬瓜と鱧の焼霜仕立て
【前菜】三種盛り合わせ
【煮物】愛媛・甘とろ豚黒酢煮
【焼物】鮎の焼き浸しと蓬麸、黄にらと壬生菜の煮浸し
【蕎麦】手打ち蕎麦

料理も蕎麦も、確かな手仕事が光る洗練された味わいだが、住宅地という土地柄もあって、気軽に通える値段設定がありがたい。
単品をプリフィクスのように味わうのもいいが、あれこれ食べたい向きにはやはりコースがお値うち。

艶やかな先付や前菜、椀物、香ばしい炙り寿司に焼物や煮物と続き、〆はこだわりの手打ち蕎麦を。
香り高い旬の味を盛り込んだ、満足度大のコースである。


※本企画の写真は取材時の料理です。食材は時期により変わります。