「Thinkstock」より

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「小学生がSNSを楽しんでいる」と言ったら驚くだろうか。実は、少なからぬ小学生がSNSを利用しているのだ。当然、それに伴って小学生のSNSトラブルも増えている。今回は、小学生の最新SNS事情についてお伝えしていく。

●子どもたちはSNSに夢中

 スマートフォンでSNSを利用している子ども(小学4〜6年生、中学1〜3年)を持つ保護者を対象としたトレンドマイクロの「子どものSNSコミュニケーションに関する実態調査2017」(2017年7月)によると、SNSを利用中に子どもがなんらかのトラブルを経験したという回答は26.2%に上った。

 具体的なトラブルは、「SNSに熱中して、勉強など生活習慣に悪影響が出てしまった」(13.9%)が最多。次いで「他人に勝手にログインされた」(5.3%)、「暴力、薬物、性的描写などを含む有害なサイトを閲覧した」(5.2%)などとなった。

 この結果には非常に納得した。というのは、小学校で相談されるのはYouTube中毒や、依存やいじめなどのLINEがらみのトラブルであり、続いてゲーム依存などが多くなるからだ。

●ゲーム機で交流を楽しむ子どもたち

 実は、小学生がSNSを利用する端末は、中高生以上とは大きく異なっている。デジタルアーツの「未成年の携帯電話・スマートフォン利用実態調査」(17年3月)によると、なんらかの専用の端末を所有している0歳から9歳の割合は56.8%とか半数以上だった。内訳は「携帯ゲーム機」(25.0%)、「子ども用携帯電話」(15.7%)、「市販のタブレット端末」(12.6%)、「契約の切れた中古のスマートフォン」(10.4%)だった。つまり、ゲーム機やタブレット、中古のスマホなどを自由に利用している子どもが多いということだ。

 子どもにとって対面ではなく友だちと交流できるというのは非常に刺激的だ。家に帰っても友だちとつながれるということ自体が新鮮な喜びなのだ。

 小学生では塾に行き始める時にモバイル端末を買ってもらうという例が多いが、スマホを与えられている例は多くない。特に低学年のうちは、キッズケータイや居場所がわかるGPS端末などを持っている例が多い。モバイル端末を与えられていない子も、ゲーム機やタブレットは与えられていることが多い。

 ゲーム機の中には、ボイスチャットができるものがある。「日曜日の夜などに、時間を約束して友だちと一緒にボイスチャットをしながらゲームをしている。一緒にゲームをしている感覚が楽しいみたいでずっとやっている」と小学生男児の保護者が言っていた。音声でつながっているため、相手の子に聞こえるように「もう寝る時間よ」と言ってゲームを終わらせることもあるという。

 ゲーム機でYouTubeをやったり、TwitterやFacebookをやっている小学生も少なくない。「ゲーム機で使う方法は中学生の兄がいる友だちから聞いた。Twitterで(ゲームのキャプチャを)投稿したら、同じゲームをしている知らない大人と盛り上がった」とゲーム好きの小学生男児は言っていた。ゲーム機の中にはTwitterやFacebookが簡単に連携できる設定になっているものがあり、小学生でも簡単に利用できてしまうのだ。

●LINEが大好きな小学生

 ある小学生は、友だちにLINEに誘われたが、スマホを持っていなかった。しかしiPadは与えられており、普段から音声検索で検索もしていた。実は、iPadでは固定電話番号を使ってLINEアカウントを作成することができる。その子は「iPadでLINEを利用する方法」を検索し、登録して使っていたという。保護者は、「iPadでもLINEが登録できることは知らず、油断した」とショックを受けていた。

 小学校も学年が上がるとLINEを利用する子が増えてくるため、「自分も使いたい」という子が増えてくるのだ。「お母さんのアカウントを借りてLINEをしている」という子もおり、改めて小学生のLINEへの憧れを強く感じた。

 小学校高学年になると、使っている子たちの間でLINEグループができてくる。しかし、小学生はまだ文章でのやり取りがうまくできない。そこで、LINEグループでやり取りをしているうちにトラブルになり、クラスのいじめ問題に発展してしまう例もある。

●SNSの利用ルールを決めよう

 SNSで巻き込まれるトラブルは、いじめだけではない。SNSで知らない人と出会うことで出会い系被害に巻き込まれてしまったり、個人情報流出により個人情報がネット上に公開されてしまっている小学生もいる。

 SNSの多くには年齢制限があることをご存知だろうか。たとえば小学生に人気のTwitterやYouTube、Facebookなどは、利用規約では13歳以上となっている。しかし、小学生も自由に使ってしまっているのが実情だ。保護者が認めて利用させているケースもあるが、隠れて使っているケースがあるので、くれぐれも注意してほしい。

 SNSでの文章を中心としたコミュニケーションは大人でも難しく、さまざまなトラブルが起きるものだ。ましてや小学生ならば、安全に使いこなせたり、利用時間をコントロールできる子どもはほとんどいないと思ったほうがよい。

 子どもが利用する端末にはフィルタリングサービスを導入したり、ペアレンタルコントロール機能で利用制限をかけるなどの方法もある。自由に使わせる前に、どのサービスを使っていいのか、使う場合はルールを決めて安全指導をした上で渡すべきだろう。
(文=高橋暁子/ITジャーナリスト)