一部のIT企業で、新入社員の給与制度に変化が起こっている。1月には、サイバーエージェントが「これまで一律だった初任給制度を撤廃、能力別給与体系に変更」と発表していたが、メルカリも2018年4月入社以降が対象の新制度「Mergrads」を発表した。

「Mergrads」は新卒入社する社員と内定者を対象に、能力や経験に応じた年収を、学年・時期を問わずに提示する新制度で、対象はエンジニア、プロデューサー、デザイナーとなっている。

「内定から入社までにインターンや大学の研究、イベント登壇などの活動でスキルを身につけた場合は初任給を上げる」「入社前でも語学留学や海外出張などの費用を補助する」といった内容だ。

Business Insider Japanの取材に答えた人事担当は、この制度を導入した理由として「新卒は内々定が出てから15カ月は給与がステイ。それはおかしい」「会長から『予算無制限でいいから、めちゃくちゃいい学生とって』と言われた」と語っている。

Twitterでは

“すごいな…みんなメルカリ社員になるよ”
“メルカリ、新卒800万円オファーもあったか。さすが。みんな、実力を評価される企業に入りましょうね”
“当然と言えば当然。新卒とは言え能力差はある。特にソフトウェアエンジニアリングに対しては、仕組みの捉え方が上手かどうかは新卒時点でけっこう差がある”

と好意的な評価が多い。また、

“ハイクラスのエンジニア候補を青田刈りしようとするなら間違ってはいない”
“良いこと。日本の一流企業は給与が低い。だから、外資や海外に人材が流出する。競争原理働かせて、給与も差別化しないと優秀な人はこない”
“本当に優秀な新卒学生はこういう取り組みするメルカリなどの企業にいきそう。外資系の金融やコンサルが優秀な学生に人気なのは給与もあるけど昇進の時間軸が短いこもありそう。大手だとどんなに優秀でも出世は遅く我慢できない優秀層が辞めていく”(原文ママ)

と人材獲得競争の点で、他の大手企業よりも有利だとする声もある。さらに、

“初任給の一律賃金なんて崩壊するだろうな。能力に関係なく同じ賃金なんて悪平等の典型だから。初任給格差が広がれば、くだらん同期入社の連帯感なんてなくなるよ”

と、年功賃金や同期の絆などの日本企業の文化がなくなっていくだろうという予測もあった。

政府の提唱する「働き方改革」が社会になかなか浸透せず、残業時間は減っても仕事は減らないなど残念な結果を生んでいるとの声もあるなかで、数少ないプラスの意味での「働き方改革」といえるのかもしれない。

(飛鳥 進)

■関連リンク
メルカリ、新卒新入社員向け人事制度『Mergrads(メルグラッズ)』導入 〜個人の能力や経験に応じたオファーを提示、内定者向けにインプットを支援し、内定期間中の昇給も〜-メルカリ
https://about.mercari.com/press/news/article/20180228_mergrads/
エンジニアを対象に一律の初任給制度を撤廃し、個々人の能力に応じた給与体系を導入-サイバーエージェント
https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=21237