パブリッシャーはこの20年間、無料でコンテンツを提供してきた。だが、ここにきて、多くのパブリッシャーがコンテンツに料金を課すべきだという考え方に立ち戻っている。問題は、価格をいくらにすればよいのかということだ。

ニュースパブリッシャーにとって、デジタルユーザーから得られる収益が収益全体に占める割合は、今後数年間でますます大きくなるとみられる。しかし、いまもたいていのパブリッシャーが、多くの人々が支払ってもよいと考える金額よりも高い料金を課しているのが実情だ。

そこで、ニュースパブリッシャーがデジタルコンテンツの価格をどのように決めているのか、そしてなぜその価格にしたのかを、5つのチャートでみてみよう。

ラテ1杯未満……



2012年、ジャーナリズム調査機関のレイノルズ・ジャーナリズム・インスティテュート(Reynolds Journalism Institute:以下、RJI)は、デジタルニュース購読料の最適な価格を1週間あたり1.25ドル(約131円)と結論づけた。だが、同じくジャーナリズム調査機関のアメリカン・プレス・インスティテュート(American Press Institute:以下、API)がまとめたデータによると、2017年のデジタルニュース購読料の中央値は2.31ドル(約243円)で、RJIが示した価格より2倍近く高かった。ちなみにスターバックス ラテのショートサイズは、現在1杯330円となっている。



Source: American Press Institute

……だが、多くの人が払ってもよいと考える金額はもっと低い



お金を払ってニュースを読む人々と、お金を払おうとしない人たちの考え方は異なっている。メディア・インサイト・プロジェクト(Media Insight Project)が2017年5月に発表した調査結果によると、調査回答者の半分近い49%の人が、デジタルニュースに払ってもよい金額を1週間あたり1ドル(約105円)以下だと回答した。



Source: American Press Institute

過小評価?



一方で、購読料を支払っている人たちは、お金と引き換えに得られる価値に満足しているようだ。先ほどの調査結果をみると、回答者の5分の4以上が、購読しているニュースが価格と比べて「非常に十分な価値」または「十分な価値」を提供していると述べている。価格が高すぎると考えていた回答者は、5分の1に満たなかった。



市場が決める価格



最初に紹介したAPIの調査によると、新聞社はデジタル購読料を決めるにあたって、競合他社の価格よりも市場テストに重きを置いている。



価格を比較



デジタルニュース購読料の中央値は、1カ月あたり約10ドル(約1055円)だ。この価格は、Spotify(スポティファイ)やオーディブル(Audible)など、オーディオコンテンツを配信する大手企業と同じか少し安い。だが、Netflix(ネットフリックス)のような一般消費者向け動画配信サービスや、アニメなどを配信するクランチロール(Crunchyroll)のようなマニア向け動画配信サービスなど、多くの有料動画配信サービスの希望価格より高くなっている。



Max Willens(原文 / 訳:ガリレオ)