WEEKLY TOUR REPORT
米ツアー・トピックス

 ジャスティン・トーマス(24歳/アメリカ)が、ルーク・リスト(アメリカ)とのプレーオフを制して、ホンダクラシック(2月22日〜25日/フロリダ州)での優勝を飾った。昨年10月のCJカップ(韓国)に続いて、今季2勝目。ツアー通算8勝目となる。

 今季は、ここまで7戦に出場しているトーマス。2度の優勝を含めてトップ10入りが3回で、ワースト順位がセントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズの22位と抜群の安定感を誇っている。フェデックスランキングは、パットン・キザイア(アメリカ)を抜いて1位に浮上。世界ランキングも自身の最高位となる3位まで上がって、その強さを存分に見せつけている。

 トーマスは、昨年8月の全米プロ選手権で松山英樹と激闘を演じてメジャー初勝利。それを含めて昨季は5勝を挙げ、フェデックスカップも制覇して”年間王者”に輝いた。

 その分、翌シーズンではさらなる活躍を期待されて大きなプレッシャーがかかるが、そうした状況にあって「この2勝目は本当に大きい」とホッとした表情を見せた。

 トーマスが掲げた今季の目標のひとつに「安定度」がある。昨季は5勝を挙げたものの、一方で予選落ちが6試合もあったことを悔しがっていた。

 また、”王者”であり続けることはとてつもなく難しい。トーマス自身、「(昨季は)5勝を挙げて最高のシーズンだったから、(今季は)きっともっと上へと、自分への期待度も高くなる。それをどうやってコントロールすればいいのか……」と悩んでいた。

 そこで、トーマスが相談に向かったのは、タイガー・ウッズ(42歳/アメリカ)のところだった。これまでも、トーマスは勝利のたびにフロリダ州ジュピターにあるウッズ所有のレストランで祝勝会を催してきている。

 そうして、ウッズに話を聞いたトーマスは、自らに対してこんな決め事をしていた。

「勝たなくてもいい。とにかく、優勝するチャンスのある位置でプレーすること。その結果、勝つことができれば、それは素晴らしい」と。

 トーマスが続ける。

「勝利だけを求めると、自分が苦しくなってしまう。だから、優勝争いの近くにいることが大事だと決めた。そういう意味でも(今季)2勝目を挙げられたことは本当に幸運なこと。大きなプレッシャーから解き放たれた気分だ」

 明確な目標を定め、自らの決め事をきちんと実践しているトーマス。直近32試合で7勝をマークし、勝率はなんと21%超えと、圧巻の成績である。

 ちなみに、ウッズはこれまでのキャリアトータルで勝率24%。断トツに高い記録を保持している。 


タイガー・ウッズからアドバイスを受けたというジャスティン・トーマス(左)

 ところで、今季も順調に勝利を積み重ねているトーマスだが、今大会では地元のウッズが参戦したこともあって、興奮したファンと思わぬトラブルを起こしている。

 最終日、優勝争いの真っ只中にあった16番ホールにおいて、ティーショットを放つ前のトーマスに、ファンのひとりが「池に打ち込めばいいのに」と叫んだ。

 その際は、トーマスも気にする素振りも見せず、フェアウェー方向にナイスショットを放った。だが、そのショットに対して「バンカーに入れ!」と再びファンが大声を発した。

 それには、さすがのトーマスも怒りを爆発させて「今のは誰だ!?」と応戦したのだ。

 結局、暴言を発したファンは退場処分に。最後まで試合を見ることなく、会場から去ることになった。

 トーマスは勝利を決めた翌日、自身のツイッターで「彼は一線を越えてしまったと思うけれど、ファンを退場させてしまったのは大変申し訳なかった」とお詫びのメッセージを出したが、実は今季、PGAツアーを観戦するファンのマナーが少々問題視されている。ウッズの復帰もあってか、エキサイトしすぎるファンが多くなっているのだ。

 ともあれ、そんな中にあっても見事に勝利したトーマス。ただ今回の勝利は、これまでとはまた違うことがあったという。

 トーマスが優勝争いに加わると、その前夜には必ずウッズからアドバイスや応援メッセージが届くそうだが、今大会ではウッズからのメッセージがなかったというのだ。

 その理由は、3日目を終えて首位とは7打差あったが、ウッズも最終日に逆転優勝を目指していたからだろう。つまり、ウッズにとって、トーマスもライバルのひとりだったのだ。

 最終的にウッズは、イーブンパーの12位に終わった。勝利には届かなかったものの、完全復活へまた一歩前進した。

「(最終日には)ふたりとも勝利を目指していた。タイガーから連絡がなかったことは、(自分のことをライバルとして認められてのことだから)逆にうれしかった」

 トーマスとウッズ。ふたりが優勝争いを演じる日も近いだろう。

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