人は誰でも風邪をひく。しかし、いつもピンピンしている人がいる。彼らには「早期発見・即対処」という共通点がある。風邪をひきそうになっても悪化させないから、周囲から「風邪をひいているように見えない」のだ。では、彼らはいつ、何をしているのか?

本記事では、現役の内科医、救急救命医、薬剤師などの知見と医療統計データ、150近くの最新の医学研究論文や文献を総動員し、「医学的に正しい風邪対策」を紹介する裴英洙氏の新刊『一流の人はなぜ風邪をひかないのか?MBA医師が教える本当に正しい予防と対策33』から、内容の一部を特別公開する。(構成:今野良介)

1回の風邪がもたらす「経済損失」とは?

風邪によって、反応時間が顕著に遅くなるなど仕事のパフォーマンスが低下することは、科学的にも証明されています。

 個人差はありますが、一度風邪をひくと、完全回復するまでに7〜10日かかるというのが医学的な見解です。また、日本のシンクタンクが全国の20〜39歳の仕事を持つ男女を対象に行なった調査によれば、一度風邪をひくと、完治するまでに平均5日かかると回答しています。

1週間前後もベストパフォーマンスから遠ざかれば、仕事の生産性は大きく下がってしまいます。

風邪をひいて病院に行った場合、診療代は3割の自己負担で1500〜2000円ほどでしょう。薬局で市販薬を購入した場合は、3日分で1500円前後かかります。そのほか、栄養剤や飲み物、のど飴、マスクやうがい薬などを購入する人も多いはずです。総合すると、1回の風邪で財布から出ていく金額は、5000円はくだらないでしょう。

日本のシンクタンクの調査によれば、風邪で仕事がはかどらないことによる生産性低下の社会的損失を金額にすると、平均44270円に上っています。米国では、風邪の外来治療費、ビジネスパーソンが風邪で欠勤したことによる経済損失と、子どもが風邪をひいてその看病のために欠勤したことによる損失を含めると年間225億ドルと推定され、実際に大きな社会損失になっています。

余計な仕事が増えて
みんなの信頼を失う

それだけではありません。風邪の影響は、あなたの周囲の人にも及びます。一流のビジネスパーソンが過剰なまでに風邪対策に徹するのは、見えない損失が大きすぎることを自覚しているからです。

思い出してみてください。風邪をひくと、こんな「損失」が発生しているはずです。

・遅れを取り戻すための残業や早出などの「リスケ」のストレス
・迷惑をかけた取引先への謝罪メールなど、追加業務の発生
・突発的な対応に追われる同僚や上司の負担
・他人に任せることによるミスの可能性
・無理に出社して周囲に病原体を撒き散らすリスクの発生

1人が風邪をひいた悪影響が、玉突き状態でチーム内に伝染するのです。

さらに、風邪はプライベートにも悪影響を及ぼします。受験生がいる家庭、要介護の高齢者がいる家庭、夫婦ともにフルタイムで働いている家庭などでは、あなたにとっては「ただの風邪」でも、ほかの家族に感染することが大きなリスクになる場合があります。また、たとえば家事や保育園の送り迎えを2人で分担していれば、どちらかが風邪をひくと、負担は1人に集中します。

誰かとともに生きている以上、1人の風邪は、確実に周囲に悪影響を及ぼすのです。

優しい同僚やパートナーは「誰でも風邪くらいひくよ。お互いさま」といたわってくれるかもしれません。ただし、その言葉に毎回甘えていたのでは、芸がなさすぎます。だからこそ、医者に頼らず、自己防衛する方法を身につけることが、最大の風邪対策になるのです。

『一流の人はなぜ風邪をひかないのか?』では、医学的な根拠に基づいた、日常生活の中で風邪リスクを激減させる具体策を詳しく紹介しています。

仕事を休めないビジネスパーソンはもちろん、結婚式や旅行など重要なイベントを控えた方、受験生やその家族、妊娠中の方など、絶対に風邪をひけない時期に、ぜひ本書の内容を実践し、肉眼で見えない風邪ウイルスと戦う正しい方法を身につけてください。

続きはこちら(ダイヤモンド・オンラインへの会員登録が必要な場合があります)