電柱がそこら中に建っているというのは、日本人にとっては当たり前だが、実は先進国では珍しい光景である

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小池百合子・東京都知事が、2016年の都知事選で公約に掲げた無電柱化政策。20年の東京五輪・パラリンピックをにらんで一時は大きな話題となったが、現状はどうなっているのか。小池百合子都知事との共著『無電柱革命』(PHP新書)を上梓している東京大学大学院総合文化研究所の松原隆一郎教授に話を聞いた。(福田晃広 清談社)

ジャカルタやソウルの後塵を拝す
低すぎる日本の無電柱化率

 小池百合子都知事が衆議院議員時代から熱心に取り組んでいる、東京都の無電柱化政策。電線や通信線などのケーブルを地中に埋め、電柱を道路から撤去することによって、地震などの災害時の被害を減らすだけでなく、歩道が広くなり景観も向上するといったメリットが提示されていた。

 世界の都市の無電柱化率を比較してみると、パリ、ロンドン、香港などは100%、台北、シンガポールが90%以上、ジャカルタやソウルが30〜40%となっている。それに対し日本は東京23区が7%、大阪5%、京都が2%と、だいぶ遅れている印象だ。

 では、なぜ世界と比べて日本だけが極端に無電柱化が進んでいないのか。松原氏は、当事者である電力、通信会社に原因があると指摘する。

「電線や通信線を地中化するには、新たに電柱を立てるのに比べて、約10倍のコストがかかるので、電力会社や通信会社は、できればやりたくないのです。しかし、諸外国ではその10分の1の費用で無電柱化を進めていますし、技術的に大幅なコストダウンが可能なのは明らか。日本の技術力でできないはずはありません」

 無電柱化には、道路1キロあたり約5.3億円のコストがかかるといわれているが、それは電力会社や通信会社が自前でやった場合。他社の優秀な技術を採用すれば、すぐにでも何割かの経費削減は可能だと松原氏はいう。

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