SNSLINEといったネットのコミュニケーションツールは、私たちの生活に欠かせなくなりました。しかし、人とのやりとりが便利になった一方で、これらが原因のトラブルも増えていると語るのは、ITジャーナリストの高橋暁子さんです。

「とくにESSE世代の女性の場合は、『ママ友にLINEでこんなことを言われた』といった、人間関係にまつわるトラブルが多いですね。女性は小さなことでも話したい欲求が強く、SNSLINEにハマる傾向が。でも、人によって使い方や感覚はまったく違います。ですから、自分が『普通』と思わず、相手を不快にさせない気づかいが重要。だれもがユーザーとなる時代だからこそ、使い手のリスクに注意することが必要なのです」


気軽に投稿したつもりが、トラブルになることも!その投稿、本当に大丈夫?

ESSE読者に、SNSLINEでのトラブルについてアンケートをとったところ、多数の経験談が寄せられました。ここでは、その一部をご紹介します。●子どもの動画をアップして、ママ友の間で孤立


子どものクラスメートのママが、発表会の様子を許可なく動画サイトにアップ。「限定公開だからいいでしょ」と本人はまったく悪びれていなかったが、ほかのママから不信感を抱かれ、孤立してしまっている。(東京都・46歳)●意図せず「自慢」と思われて…

インスタグラムに私生活を投稿していたら、仲のよかった友人から「ずっといやな気分だった」と告白されてびっくり! 自慢しているように感じていたそうです。(神奈川県・34歳)●そんなに「いいね!」がほしいの?

1日に何度もフェイスブックに投稿して「いいね!」を期待している友人がいます。面倒なので、見ていないことにして「いいね!」の回数を減らしています。(山口県・41歳)●つながっていないはずのママ友に見られていた!

インスタグラムではつながっていないはずのママ友が、私のアカウントを見ていることが、インスタライブの足跡機能から発覚。会っても「見たよ」と言ってこないのが、なんか気になってモヤモヤ…。(愛知県・39歳)●ちょっとした背景で場所が特定されることも

レストランで食事したときの写真をTwitterにのせたら、背景から「◯◯というお店ですよね?」と特定するコメントがきて驚いた。(千葉県・33歳)ちょっとした写真や文章から個人情報がもれてしまうリスクも

SNSLINEのトラブルを避けるには、どうしたらいいのでしょうか。高橋さんは忠告します。

「とくに気をつけたいのは、子どものプライバシーです。世のなか善意の人だけではないので、子どもについて書く場合は『長女』などとし、本名を伏せると安全です」
毎回そのような投稿をすることで、見ている人にも「この人は、SNSでは本名を明かさない人なんだ」とスタンスが伝わります。

「写真の投稿にも注意が必要です。自宅周辺で撮ったものは避けましょう。写り込んだマンホールなどから住所が特定されることもあります。ママ友との集まりでは、撮る前に『アップしてもいい?』『顔出し&タグづけがNGの人は?』と、ひと声かけるマナーを徹底したいものです」

ESSE4月号では、このほかのトラブル事例や、SNSLINEのスマートな使い方を紹介しています。会社で人事異動があったり、子どもが進学したりする時期。今一度、SNSLINEの使い方を見直してみてはいかがでしょうか。

●教えてくれた人
【高橋暁子さん】
ITジャーナリスト。取材・執筆のほか、講演、All Aboutのガイドも行う。一児の母で、小学校教員の経験もあり、10代のSNS事情にも詳しい。著書に『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス刊)など

<イラスト/えのきのこ 取材・文/ESSE編集部>