「インフルエンザかも→すぐ病院」は間違い!医師が教える正しい知識

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 今シーズン、例年以上の大流行をみせた「インフルエンザ」。流行期間は「11月〜4月」と言われていますので、3月に入ってもまだまだ油断できません。

 短期間で熱が下がったり、高熱の出ない「隠れインフルエンザ」が多かったりしたことで、「これってインフルエンザ?」と判断に悩んだ人も少なくないようです。そこで、風邪との見極め方や、検査や予防接種のタイミングなど、インフルエンザの正しい知識について「池袋大谷クリニック」院長で医学博士の大谷義夫先生にお話を伺いました。

◆風邪とインフルエンザの違いは「この症状」で見極める

――一般的な風邪とインフルエンザはどう違うのでしょうか?

大谷義夫医師(以下、大谷)「風邪は200種類くらいあるウィルスの中のどれかが原因となって、鼻やのどに炎症を起こします。症状としては、主に咳、痰、鼻水、喉の痛み、関節痛、筋肉痛、倦怠感があり、37度台の微熱を伴います。

 一方インフルエンザは、A、B、C型のインフルエンザウィルスによって引き起こされます。C型は一般的な風邪に分類されるので、問題はA型とB型。症状は風邪と似ていますが、関節痛や筋肉痛、倦怠感は風邪よりも強く現れ、高い熱が突然出るのが特徴です。B型は下痢や嘔吐といった胃腸系の症状を伴うこともあります」

――では、風邪かインフルエンザかを見極めるには、高熱と関節などの痛み具合がポイントになるんですね。

大谷「はい。ただ、今年流行った『隠れインフルエンザ』のように、高熱が出ないケースもあります。それでも強い関節痛などの症状は現れるので、いつもと違う痛みを感じたらインフルエンザを疑って、医療機関で検査を受けたほうがいいでしょう」

大谷「患者さんの中には『今まで味わったことがない痛み』とおっしゃるかたも多いので、ご自身でも気づきやすいと思います」

◆「インフルエンザかも?」と思ったら…「スグ病院」は間違い!

――インフルエンザの疑いで医療機関を訪れるとき、注意したほうがいいことはありますか?

大谷「受診のタイミングですね。従来のインフルエンザ検査キットは発症から12時間以上、最新のものでも6時間以上経たないと反応が出ないので、発症後12時間ほど経ってから受診するようにしてください。

 それ以前に受診してしまうと、正しい結果を得られない可能性が高まってしまいます。ちなみに、所定の時間を経過してからの陽性率は、従来型のキットで50%、最新のものだと80%といわれています」

――12時間や6時間も必要なのはなぜですか?

大谷「インフルエンザウィルスの増殖スピードが関係しています。インフルエンザ検査キットは、鼻の奥から粘膜を採ってウィルスの有無を調べます。そのため、ウィルスが増殖していないと採取できず、陰性反応になってしまうんです。

 陽性率が100%ではないのも、まれに増殖スピードがゆっくりで、12時間以上経過していても十分に増殖していないかたがいるためです」

――怪しいのに陰性反応が出たときはどうすればいいですか?

大谷「症状などからインフルエンザの可能性が高ければ、半日から一日ほど時間を置いて、再度検査を受けてみてください」

◆「熱が下がってすぐに仕事復帰」は禁物!

――インフルエンザに罹ると一定期間登校や出勤を禁止されますが、なぜ治った後も休まなければならないのでしょうか?

大谷「インフルエンザウィルスは、熱が下がってからも数日間は体内に残っていて、感染する可能性が高いためです。学生の場合なら『発熱の翌日から5日間、かつ、解熱から2日間は登校禁止』と学校予防法で決められていて、社会人の場合もそれに準じています。

――1日で熱が下がった場合、マスクを着けるなど対策をとれば出勤を早めても大丈夫ですか?