ルイス・ネリ【写真:Getty Images】

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前日計量で2階級も上の体重だったネリだが、バンタム級にとどまる方針が明らかに

 プロボクシングWBC世界バンタム級1位の山中慎介(帝拳)は計量に失敗して同級王座剥奪となったルイス・ネリ(メキシコ)とのリベンジマッチに臨んだが、2回TKO負け。試合後、引退を表明した。体重超過というスキャンダルを起こした前王者に対し、WBCは「無期限出場停止処分」を発表したが、2階級上の体重で前日計量に臨んだネリがバンタム級残留の意向を決めたことが明らかになった。ESPNメキシコ版が報じている。

 昨年8月の山中とのタイトルマッチ開始前のドーピング検査で陽性反応と発表されていたネリ。体重を超過し、試合前日にタイトル剥奪という2度にわたる愚行に、WBCも厳しい姿勢を示した。

「バンタム級(118ポンド、約53.5キロ)の王者が公式計量に5ポンド(約2.27キロ)も重い状況で登場することは単純に受け入れられない」とネリをバッサリ。そして、「WBCは正式にルイス・ネリを無期限で出場停止に処す」と発表している。

 WBCはネリに対し、事情聴取も行う予定だが、前王者はある計画を明かしていたという。

 ESPNの記事では「(WBCの)発表数時間前にネリと陣営は話しあった。WBCの世界タイトルマッチに118ポンドという体重を作れなかったが、彼はスーパーバンタム級にすぐに転向するのではなく、この階級で世界チャンピオンに復帰できるだろうということだ」と報じている。

 ネリと陣営はバンタム級に留まり、一度剥奪された王座を再び取りに行く方針を固めたというのだ。

 ネリ自身も、帰国前に「我々はバンタムにとどまる。こんなことはもう起きないように努力するだろう」と話していたという。WBCは無期限の出場停止処分を課したが、現状他の団体ではタイトルマッチを行うことは可能。バンタム級戦線に残ってのファイトを選んだとなれば、最新のランキングでWBA1位に登場した井上尚弥(大橋)にも将来的に関係してくる可能性もある。ネリの今後の動向に注目が集まることになりそうだ。(THE ANSWER編集部)