ひな祭りになぜちらし寿司?なぜはまぐりのお吸い物?

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3月3日は桃の節句、ひな祭り。ひな祭りに食べる料理といえば、ちらし寿司、はまぐりのお吸い物を思い浮かべる人は少なくないだろう。しかし、なぜひな祭りにちらし寿司、はまぐりのお吸い物なのか? マナー講師の桜美月さんにその理由を教えてもらった。

■なぜひな祭りにちらし寿司なのか?

「ひな祭りのご馳走といえば、ちらし寿司にはまぐりのお吸い物の2種類です。ですがひな祭りにちらし寿司を食べること自体にはいわれはありません」(桜さん)

ただ祝い事にお寿司が選ばれるのには理由があるという。

「すしは、一般的に『寿司』と書きますが、この漢字は『寿(ことぶき)を司(つかさど)る』という意味合いから、縁起が良いと考えられています。そのため、祝いの席で好んで寿司が使われています」(桜さん)

ひな祭りにちらし寿司である必要が必ずしもあるわけではないが、ちらし寿司に使われる具材の意味を知ると、ちらし寿司が選ばれるのも納得である。

「ちらし寿司に使われる具材には、地方によって違いもありますが、エビには『長寿』、レンコンには『先の見通しがきく』、豆には『健康でまめに働ける』、筍には『すくすすく育つ』、菜の花には『春らしさ』などの意味があります。どの具材も祝いの席にふさわしく、かつ彩も華やかで見た目も可愛らしいですよね。ひな祭りにちらし寿司がふるまれるようになったのも納得ではないでしょうか」(桜さん)

メーカーが仕掛けたという説もあるが、ちらし寿司に使われる具財の意味を知れば勘ぐる必要はなさそうだ。

■なぜひな祭りにはまぐりのお吸い物なのか?

続いてはまぐりのお吸い物についても話を聞いた。こちらも由縁は特にないのだろうか?

「ふたつに分けたはまぐりの殻は、決して片割れの殻以外とは合わないことから、『良い相手に巡り合える』『ひとりの人と生涯連れ添う』と考えられ、夫婦円満の象徴でした。また、はまぐりは汚れた水を嫌い、水が汚れると一夜にして移動することから、純潔の象徴とも考えられていました。さらに、はまぐりの古称は『うむぎ(海の蛤、白蛤)』ですが、これが『生喜』に通じることから、子どもが将来幸せな結婚・出産ができるようにという願いを込め、ひな祭りにはまぐりのお吸い物をいただくという説があります」(桜さん)

「子どもの幸せを願う気持ちが、たくさんこもっている行事がひな祭りなのです」と桜さんは指摘する。

■ひな祭り――桃の節句にご馳走を食べることには大きな意味があった!

ひな祭りにちらし寿司やはまぐりのお吸い物を食べる理由はよく分かったが、そもそもとしてひな祭り、桃の節句にご馳走を食べることには大きな意味があるという。

「旧暦三月には、『祓月』という異名があります。お祝いの儀式という印象が強い節句ですが、実は季節の節目に訪れがちな厄を、祝いことによって福に転じようという願いが込められています。節句とは体調を崩しがちな季節の変わり目に、みずみずしい旬の食べ物の命をいただき、末永い健康を祈る儀式です」(桜さん)

桃の節句であるひな祭りにご馳走を食べるのは、厄を福に転じ、そして健康を祈ることにそもそも由来していたのだ。

なお、教えて!gooウォッチでは「ひな祭りに甘酒を飲む理由」や「なぜひな祭りには『ひなあられ』と『ひしもち』なのか?」という記事も公開している。気になる方は併せて読んでみて!

■専門家プロフィール:桜美月
イメージアッププロデューサー、マナー講師。愛媛県松山市出身の元ミス松山。個人向け(東京と愛媛にて)・企業向けに立ち居振る舞い・ビジネスマナー研修講師として活躍。研修を受けた人数は、5800人。Webにてマナー記事連載執筆中。著書に『媚びてないのにかわいいシンデレラマナー』(主婦の友インフォス情報社)がある。

柚木深つばさ(Yukimi Tsubasa)