3月に入っても落ち着かないニューヨーク市場。だがぐっちーさんは「騒ぎすぎ。調子のいい奴が多すぎる」と言う(写真:AFP/アフロ)

ワタクシ、前回の登場時もニューヨーク市場が急落したときに順番が来てしまい、多くのエコノミストが「暴落」とか騒ぐので「アホか」、とコメントしたわけです。そうしたら、今回もまたまた3月1日にニューヨークは派手に下げており、2日も乱高下。またまた「いよいよ大暴落」とか言っている、調子のいいエコノミストが多くおりますな。

再度「アメリカ株は暴落などしていない」と断言する


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メディア、特にテレビは言いたいことがあらかじめ決まっていて、それに合わせてくれるエコノミスト(だいたいはサラリーマンですね。会社の立場上、あんまり本当のことを言わないし、言えないので)をあとから探してくる、ということになりがちです。

ですから、ワタクシぐっちーのように「こんなもん、なんでもないわい!」というようなことを言い続けているエコノミストには仕事が回ってきません。仕事を下さるのは「東洋経済オンライン」さんくらいなもんです(笑)。

そこで、再度S&P500の長期チャートを見ていただきたいのですが、実際こんなもんです。日々の値動きもすぐにとれます。

1950年代からのチャートですが、最もバランスが取れている指数であるS&P500で見ても、これまでの最高値からたった6.8%下落したのが3月1日の終値です。確かにFRB(米連邦準備制度理事会)のジェローム・パウエル新総裁は、ジャネット・イエレン前議長に比べると多少利上げに積極的な感はあります。しかし、だからといって、それでアメリカ経済が大きく崩れる状況にはなく、少なくとも私が崩壊を予言した2006年当時とは何もかもがあまりにも違いすぎるのです。

ひとつ専門的なことを申し上げるなら、やはり投資銀行(証券会社ではない)がすべてFRBの「傘下」に入り、レバレッジに規制がかかっていることは非常に大きい、と思われます。当時の感覚で行くと1億円のエクイティ(資本)があったら100億円くらいの資金調達が可能でしたから、そりゃ、「バブった」のは当たり前ですよね。

今はその半分も無理で、結局住宅、株式などに投入される資金はいわば「実弾」、まさにそのエクイティに相当する部分が投資されているまさに実態のある投資なわけです。

ドナルド・トランプ大統領が本気でこの規制を変えにかかるなら、状況は大きく変わり、再びバブルの世界、ということも考えられます。しかし、今のところそれはないわけで、極めて健全な実体経済の発展がアメリカ経済を支えているといってもいいかもしれません。

住宅着工件数なんて、2008年のバブルのピークに比べればまだ半分くらいにしかなっておらず、せいぜい年間100万戸ペースなわけです。それでこの株価、ですよ。これが当時と同じ200万戸になったらどうなると思います? そして実際にその可能性すらあるのがアメリカのすごいところで、若年労働人口がすでに増加に転じていて、2050年まで増加し続ける……という現実からすると、ある意味世界中で成長を確実に約束されている市場は中国でもなんでもなくアメリカだ、ということをいま一度認識して頂きたいと思います。

日本にはいまだに「成長するのは、やっぱり中国」、とか言っている企業経営者もたくさんいて、「ご苦労さんなことですね」、というしかありません。アメリカに行けば人種の偏見がなくならないのは仕方がないとしても、少なくとも突然法律を変えられたり、何か理不尽なことが起きることはそれほどありません。しかし、中国で商売をやった経験からすると、もう理不尽の連続であります。共産党が何か言った瞬間にすべてが変わります。元々共産党……つまり土地の私有財産を認めていない……とはっきり宣言しているわけですからね。それを知ったか知らずか、あんなところに不動産の権利を持つなんてのは、正気の沙汰ではありません。

仮想通貨に投資する奴は、正気の沙汰じゃない

「正気の沙汰ではない」という意味では、ビットコインに代表される仮想通貨も同様です。

最近、多くの取材を受けるんですが、こんなもん、そもそもどういう価値があると考えて投資をしているんでしょうか。

仮想通貨は、資産か国家権力が裏付けとなるなら、まだわかりますが、これまで出てきているものはただの発行体、それも得体の知れないような発行体(どれだけ資産があるなんて誰も把握すらしていない)の信用力しかないのだから、その「価値」は共同幻想以外の何物でもあり得ないのです。

正直、いつ価値がゼロになってもおかしくない。それだけのことです。いやいや、例えばパナソニックなどの大手企業がやったら信用力は十分だ、というアホいるんですが、あんた、それなら株式と一緒ですって、なんでこんなシンプルなことがなぜわからないんだろうと言うしかありませんね。

得体のしれない奴を信用しておカネを預けるということ自体がばかげている……ということにどうして気が付かないのか、まさに正気の沙汰ではありませんね。

仮想通貨NEMの被害者にはあきれましたが、被害者と言えば、本当に申し訳ない言い方になりますが、あの着物のなんじゃら(はれのひ、とか言いましたね)、という、正に全く実態のわからない会社に大金を前金で払うとか、テルミなんちゃらという「わけの分からない旅行会社」に海外旅行代金を事前に振り込んでしまい倒産して戻ってこないとか、「あんたたち、どんだけおカネもってんのよ」、という事件ばかりが日本では頻発します。

知識がない、と言えばそれまでですが、自分の頭でよく考えて「信用できない人にはおカネを前払いしてはいけません。逆に信用のない人からは先にもらわなきゃいけません」…、これくらいのことがなんでわからないんだろうか……。テレビで被害者としてインタビューに応じている方々を見ると、いつも感じるわけです。だからこういうことをやろうとする輩がいなくなりません。

「自分の頭で考え、自分でなんとかする」ことの大切さ

もう、こういう基本的な部分は自分の頭でちゃんと考えてほしいんだけど、どうもおカネっていうのは天から降ってくる(日本政府が最後は何とかしてくれる)と思っている人が日本には多いみたいで、まあ、「お上頼み」が多かったとも言われる江戸時代の伝統が残っているんじゃないかな、と最近思いますわ。

最後に一つ。「そうじゃないぞ、自分たちで何とかするんだ」、と立ち上がってきた歴史のある福岡の本を、東洋経済オンラインでも連載を持っている、畏友・木下斉君が書いてくれました。「福岡市が地方最強の都市になった理由(PHP出版社)」です。

これを読みますと、経済というのはやはり自分たちでリスクをとって何とかせにゃならんもんだ、ということがよくわかります。九州大学なんて、普通に福岡にあると思っていましたが、もともとは熊本に決まりかけていたものを地元の財界が結集して引っ張ってきた話や、たらこにも唐辛子にも関係のない福岡になんで明太子があるんだろう、というような話もてんこもりで木下君が書いています。これは必読です。日ごろからわれわれが、「自分でやれ!」と言っている意味がわかって頂けると思いますし、これを読めばわけの分からん詐欺にひっかかることもなくなるのではないでしょうか(笑)。

さて、ここからは恒例の競馬コーナーです。

週末はいよいよ競馬シーズンフル回転、という時期にやってくるG2弥生賞(4日中山競馬場11R、芝2000m)であります。まあ、競馬自体はこれまでもずっとやっていたわけですが、やはりG1だのなんだの、大きなレースがないと今一つ盛り上がらんわけで、春の訪れとともにいよいよやってくる、という季節になって参りました。

この弥生賞は、同じ中山の芝2000メートルで、4月15日に行われる皐月賞の前哨戦とでもいうべきもので、かつ、東京芝2400メートルの日本ダービーの参考レースとしても非常に重要なのであります。

弥生賞で負けたことで逆に2400メートルに適性があるな、と見抜いた馬がこれまで何頭いたことでしょう!! その意味では今年の競馬をするならまずはこれを見なきゃいかん、というくらいのレースであります。

でまた、今年は役者がそろっております。

わくわくする弥生賞は「2強対決」と見た!!

1頭は、2歳王者決定戦・G1朝日杯フューチュリティS(2017年12月17日/阪神・芝1600m)を圧勝したダノンプレミアム。そしてもう1頭は、レースの格が上がるごとに後続との差を広げ、無類の強さを見せつけているワグネリアン。

個人的にはこの2頭で決まると思っています。どうも彼らはずぬけている感じがするんですよね。ワタクシは、あの2016年の弥生賞レースが思い浮かぶわけです。このときはいわゆる「3強対決」と言われたのですが、リオンディーズ(1番人気)、マカヒキ(2番人気)、エアスピネル(3番人気)で本当に決まった、あのレースです。そして、この時2着に敗れたマカヒキは明らかに2400m向きで、見事にこのあとのダービーを制したわけで、多くの競馬ファンはあれと同じようなシーンを、今から想像しているのではないでしょうかね。

ただ、2013年みたいな例もあって、エピネファイア(1番人気)、コディーノ(2番人気)、キズナ(3番人気)で鉄板だ、と思っていましたが、実際に来たのは6番人気のカミノタサハラ、2着は10番人気のミヤジタイガ、ってのがありまして、そう単純ではない、というのがこの年齢の競走馬レースなんですね。

ちなみに、当時ワタクシ私が「大本命で負けるはずがない……」と宣言したキズナは弥生賞でなんと5着に沈んだんです。まあ、ジョッキーに問題があったとは思いますが、しかし、キズナの潜在能力がわかったのもこのレースだったわけで、思った通りこのあとダービーを取りました。人気が落ちていた分、そりゃ、大変なことになりましたよね。
ということで、穴党の方も十分チャンスありですが、私は、今回はこの2強対決にかけてみたいと思います。はたして……。