食品Eコマースの未来を担う「ダークストア」というコンセプト

写真拡大

オンデマンドの買い物に革命を起こす拠点となるのは、世界各地の食料品ストアだ。イスラエルのロボット関連のスタートアップ「CommonSense Robotics(コモンセンス ロボティクス)」の共同創業者でCEOのElram Gorenはそう語る。

食料品ストアの強みは消費者に近い場所に、拠点を構えているところだ。「全ての食料品店は店で買い物を行う消費者と、オンラインから注文する消費者の双方に対応する"ハイブリッド型"を目指すのが理想だ」というのが、Gorenの考えだ。

ハイブリッド型のストアは、店のバックヤードに小型の物流センター的機能を備えることになる。このような物流センターは英国や欧州の一部で「ダークストア」と呼ばれ、密かに広まっている。

店舗に隣接するダークストアの内部は、専用の小型ロボットが走り回る小さな物流センター的空間になっている。イスラエルのテルアビブ本拠のCommonSenseは、そこで使用する小型ロボットやソフトウェアをパッケージとして提供しようとしており、今年後半に、テニスコート2面ほどの広さで運営可能な「マイクロフルフィルメントセンター」の公開を予定している。

この分野ではアマゾンが「Keva robotics」という企業を2012年に7億7500万ドル(約827億円)で買収しており、類似した仕組みを整えつつある。また、英国のオンラインスーパーの「Ocado」もロボットやベルトコンベヤー、クレーンアームなどが商品をピッキングし、配達トラックへ迅速に積み込むシステムを構築。Ocadoは既に英小売大手「Morrison」やフランスの「グループ・カジノ」といったスーパーと契約を結び、オンラインスーパーの物流の合理化に取り組んでいる。

一方でCommonSenseはこれまで累計で2600万ドルの資金を米国の「Playground Global」らから調達し、Ocadoなどの企業を追い抜こうとしている。

アマゾンのホールフーズ買収の効果

「Ocadoのソリューションは倉庫内のピッキングやトラックへの積み込みを合理化するものに留まっている。しかし、CommonSenseの強みはそれをさらに一歩進め、ロボットや自動運転を用いて、より迅速に消費者に食料品を届けることを視野に入れている」とGorenは話した。

昨年、アマゾンが大手食品スーパーのホールフーズを買収して以来、この流れは一気に加速している。関係者の間からは「アマゾンはホールフーズを食料品の配送拠点として用いるはずだ」との声があがる。

アマゾンは先日、米国のプライム会員向けに、ホールフーズの食品が2時間で自宅に届くサービスの開始を発表した。

「食料品ストアは配送の自動化や自動運転ロボットの活用により、これまで以上の利益を生み出せる。書店業界や銀行業界で起こったことと同じことが、生鮮食料品分野でも再現できるはずだ」とGorenは話す。

「食料品ストアのビジネスモデルは根本的な危機に瀕している。しかし、彼らのアドバンテージは消費者に近い場所に店舗を構えていることだ。彼らが自分たちの利点を正確に把握し、適切な行動を起こせれば、未来を切り拓いていくことができるだろう」とGorenは述べた。