ルイス・ネリ(左)、山中慎介(右)【写真:Getty Images】

写真拡大

ネリ、度重なる愚行に高い代償 WBCが無期限出場停止処分を発表

 プロボクシングWBC世界バンタム級1位の山中慎介(帝拳)は計量に失敗して同級王座剥奪となったルイス・ネリ(メキシコ)とのリベンジマッチに臨んだが、2回TKO負け。試合後、引退を表明した。昨年8月の第1戦では試合前のドーピング検査で陽性反応を示したネリは、今度は体重超過というスキャンダルを起こした。WBCは前王者の愚行を「単純に受け入れられない」と一刀両断。「無期限出場停止処分」を課すことを発表した。

 ネリは2度目の愚行で高い代償を払うことになるかもしれない。WBCはバンタム級の現状を公式サイトで報告。WBCとしては試合30日前、前日など段階的な計量を義務付けているにも関わらず、計量失敗したネリに厳しい姿勢を示している。

「バンタム級(118ポンド、約53.5キロ)の王者が公式計量に5ポンド(約2.27キロ)も重い状況で登場することは単純に受け入れられない」とネリをバッサリ。そして、「WBCは正式にルイス・ネリを無期限で出場停止に処す」と発表している。

 WBCはネリに対し、事情聴取も行う予定。前王者は昨年8月、山中の国内最多となる13連続タイトル防衛を阻んでいたが、試合前に行ったドーピング検査で筋肉増強剤に似た性質を持つジルパテロールに陽性反応が出ていた。この時はWBCは再戦命令を下すに留まり、ネリは王座剥奪を免れていた。

 ボクシング界に続出する体重超過問題。正すべく、WBCが腰を上げた格好だ。ただ現状では、他団体で試合することは可能。今後の展開に注目が集まっている。(THE ANSWER編集部)