あなたは、家での港区男子をご存じだろうか。

毎晩のように西麻布に集い、個室でウェイウェイ。

そんなイメージが強い港区男子たちは、自宅では一体どんな顔をしているのか…?

そこで、港区系男子のお宅訪問を敢行し、実際はどんなライフスタイルを送っているかを調査することに。

こだわりのマイホームから見えてきた彼らの暮らしとは?

初回は32階建てタワーマンションの高層階に住む、デザイナーの家へ伺った。




〈今週の港区男子のマイホーム〉

名前:ジョンさん(40代)
職業:アパレルブランドのデザイナー兼セレクトショップオーナー
家賃:賃貸で月額45万円
年収:ヒミツ
交際:独身。結婚歴ナシ
ジョンさんのセレクトショップはこちら!R&Co.


リビングに置かれているのは、モダンファニチャーとアンティーク家具


扉を開けてすぐ目に飛び込んできたのは、バスキアのアートをまとったベアブリックのオブジェ。そして壁側にはガラスケースの中でゆらめくLEDキャンドル…。

これだけでもう、この部屋の住人が“ただ者ではない”ことが、瞬時にわかる。




案の定、リビングへと進むと、そこに広がっていたのは、まるでホテルのような空間だ。イタリアの高級ソファメーカー、ミノッティの200万円はするであろうソファに、フィリップ・スタルクのオットマン、さらにコーナーにはエコスマートファイヤーの暖炉まで…。

この部屋の住人、ジョンさんの職業は、自身が立ち上げたブランド「インベストメントクローズ」のデザイナー。洋服のセレクトショップのバイイングも務め、年間12回は海外へと赴く。その保持マイル数は、なんと110万(!)というからすごい。

「インテリアについては、ミッドセンチュリー、北欧スタイル、コンテンポラリーやアジアンテーストなんかも含め、ひと通りやりました。今は、この前の家がオールモノトーンだった反動で、シンプルモダンな感じに落ち着いています」



恵比寿のアンティークショップで購入した棚。サングラスなど、ちょっとしたものを置いている。


そんな彼の部屋の中で抜群の存在感を放っていたのは、思い入れのある家具たち。

「コーナーに置いている棚は、18歳のときに恵比寿で出会ったもの。ひと目ボレでしたね。これまで5回以上引っ越しをしたけれど、コーナーに置いても場所をとらないので必ず連れていってます(笑)。今良く身につけているアクセサリー類を置いて普段使いしています。」

パリコレ出張の際にはクリニャンクールの蚤の市に訪れる。ミニボトルがディスプレイされたエルメスの木製の棚は、そんなときに見つけた掘り出し物だ。




「店舗用のディスプレイラックとして使われていたものでしょうね。こういったレアなものに出会えることがあるから、やめられないんです」


物件を選ぶ際の条件3つ




リビングからつながるベッドルームに置かれたデスクチェアはイームズだが、ここにも彼のこだわりが。

「生地はテキスタイルデザイナーのアレキサンダー・ジラルドがデザインしたデッドストックの生地が使われている。15年前に見つけて以来、愛用しています」

全体はシンプルだが、随所に散りばめられたアンティーク家具がアクセントとなり、センスのない人間がどんなに頑張っても醸し出せない“本物”が隅々に息づく部屋になっている。


恵比寿、お台場、横浜、学芸大学…。これまでは、どこも2〜3年で引っ越しを繰り返してきたが、現在の部屋はすでに4年半住んでいる。

その理由はコスパの良さ。




「ジムもインフィニティプールもあって、さらに朝食は500円払えばビュッフェが利用できる。駐車場はバレーパーキングで、電話1本で出しておいてくれるでしょ。それで部屋からスカイツリーも東京タワーも見られるんですから、お得としか言いようがないですよ(笑)」

今までにないほど、この部屋を気に入っているジョンさんだが、引っ越すとしたら物件に求める条件は3つ。

1つ目の条件は、「リビングが20畳以上あること」
そして2つ目は「間取りが正方形で窓が多いこと」

「日本のマンションの多くは長方形でしょ。あれがすごく嫌なんです。家具の置き方に選択肢がないから、必然的にテレビとソファの距離が近くなるし。あとね、長方形だとなんか電車みたいで(苦笑)」




住む部屋とともに自分もアップデートする


最後3つ目は、「築3年以内であること」。

街はもちろん、マンションも新しいほうが「自分がアップデートされる感じがする」、というのがその理由だ。常に時代の空気を読み、先を行くことを求められるデザイナーならではのこだわりだ。



ピーターマックスのヴィンテージの灰皿と、ホテルや海外の展示会で頂いたペン。


ちなみに海外出張時に滞在するホテルですら、1泊ごとに変えるというから驚く。

毎日荷物を移動させ、いちいちチェックイン&アウトの手続きをするのは面倒だが、それでも得難いものがあるのだとか。

「求められ続けるには、どれだけ情報量を持っているかが大事だと思うんです。持っている情報も古いままではダメ。だから、例えばパリに5泊いるなら5つのホテルに泊まります。そうすれば1箇所に泊まるより5倍の情報が得られるし、常に情報がアップデートされるでしょ。定宿に連泊するなんて、僕からしたら逆にもったいないと思ってしまう」

このスタイルを10年以上続けているというジョンさん。

考えてみれば、食べる、寛ぐ、寝るといったライフスタイルが凝縮されている場所こそホテルである。だから彼の部屋には、これまで過ごしてきたホテルでの時間、経験が形になって表れているのだろう。


部屋に極力物を置かない彼なりの理由




サンローランのニットにバレンシアガのパンツ、そして腕には希少性の高いオールブラックのロレックス。

そのスタイリッシュでデザイナー然とした雰囲気が港区の夜にしっくり溶け込む印象だが、意外にも彼の朝は早い。

「毎日8時には出社していますね。オフィスは麻布十番ですが、グランドハイアット東京の『フィオレンティーナ』でPCを開くことも多いです」




家では完全にスイッチオフしてリラックス


ジョンさんが住んでいるのは、港区からほど近い場所にあるタワーマンション。住居を港区に選ばなかったのは、職住を分けたかったから。オフィスから車で家に帰る道中で自然とスイッチがオフになり、家に着くころにはリラックスできる態勢に。

「帰宅して家が散らかっていると疲れますよね。だから、なるべく物は置かず、ホテルのような状態をキープするのが理想。平日はほぼ寝に帰るだけですし、週末に予定がなければ冬眠した熊のように一日中、ひたすら寝ていることもあります」



存在感を放っている、ミノッティのソファ。


また、部屋に物を置かない理由のもうひとつが、スタッフからどう見られるかを意識しているから。

「急に家に立ち寄ることになったとき、玄関を開けて散らかっていたら、“あぁ、こういう人なんだな”ってなると思うんです。でも部屋が片付いていたら、“日頃からちゃんとしているんだな”ってなるでしょ。自分だって誰かの家に行ったら、そう思いますからね(笑)」

いつ来るともわからないスタッフのことまで考え、美しい部屋をキープするジョンさんだが、今狙っているものがある。

それはTOM.Hのシャンデリア。炎のゆらめきを6台のiPadが表現するというユニークなもので、お値段は85万円也。ただ、構造上、この部屋のリビングには設置できないため、オフィスにつけることを考えている。

彼のインテリアへの飽くなき探求は、これからも続きそうだ。

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フランスのヴィンテージのベンチ。「1940年代に作られたもので、鹿の角と飴色レザーのミックス感がたまらなく好み」

イギリスBAMFORD社のカスタムROLEX。

壁に掛けられた、スコロクトの絵。

カッシーナ社製、フィリップ・スタルクのオットマン。