新4WDの説明動画より。

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■新AWDコントロール「AIM(AWD Integrated Management):エイム」

 今回トヨタが発表した新統合型4WDを、「AIM(エイム)」というようだ。SUVの人気は世界規模でますます盛んで、4WDのコントロールも進化し続けなければならないようだ。SUVと言えども最近では、基本はオンロード走行だが、世界ではオフロード走行も要求されるであろう。

前回は:【TNGAの本質を見誤るな(3)】HV9%・Gエンジン18%燃費向上 それでも中国EVは進む

 新AWDは、後輪を左右独立制御するようで、「トルクベクタリング機構」と呼ぶようだ。エンジン・ミッション・ブレーキを統合制御する。また「ラチェット式ドグクラッチ」を使用して、FF走行しているときは後輪駆動機構を切り離し、この機構の抵抗を80%カットして燃費向上に寄与するようにしている。確かに4WDをFFにして走っているとき、後輪駆動機構は引きずられて回っているだけになるので、タイヤだけ切り離されて回っている状態がベストだ。これも日本人ならではの「気づき」と言えるのだろうか?

 また、E-Fourはモーター駆動となる後輪のトルクを1.3倍にした。これに「AIM(AWD Integrated Management)」を加えて高い走破性能を示すという。カメラや各種センサーからの情報を加えて先行制御できれば、BMW750のような先回りのAWD制御となろう。AIMがどの程度の制御をしているのかは分からないが、タイヤの滑りを検知してからでは制御が遅れることは、現在のE-Fourで分かっていることなのだ。およそ30km以上速度が出ている場合、雪道などで滑り出してE-Fourが起動しても間に合わない場合があるという。この点についての新E-Fourの動作はどのようになったのであろうか?おそらくは、これを基本に車種ごとに付け加えるのであろう。

■それでも中国のEV化は止まらない

 今回のトヨタの新しい近未来パワートレーンは、最近発表されたヨーロッパ各メーカーのそれより、やはり進歩しているように感じる。このままHV・PHEVと進んでいくのであれば、「トヨタの独走」となる気がした。これはEV化を推し進めるしか、世界各国のメーカーの立場はあるまい。しかし、中国では技術的には未だ低レベルと言えるクルマ造りが進んでいる。それでも、中国国内、開発途上国では売れていくであろう。バッテリー性能の問題は、北米・日本・ヨーロッパなどでは、現状の技術レベルでは問題となろう。さもなくばニッサン・リーフがもっと売れてしかるべきだ。

 現状の中国メーカーのEVは、品質でニッサン・EVリーフにかなうまい。しかし、売れていく。少なくとも中国国内では売れていく。すると自由に中国国内で生産販売できない外国勢は、EVで太刀打ちが難しいであろう。国内販売が出来れば中国メーカーは大きくなれる。また、合併事業で国外の先進技術を中国メーカーが手にできるとなると、世界のメーカーは中国市場の拡大に伴いEVでは苦戦することとなろう。

 そして、全固体電池など電池の技術がもう1歩進歩すれば、世界でEVは爆発的に売れていくかもしれない。その時、中国メーカーは、メガサプライヤーとなったパナソニックなどから最新の電池の提供を受け、少なくとも手ごわい相手になっていることだろう。そして、テスラはどのような存在となっているのかは、楽しみだ。

参考:【グローバル発注と系列】カルロス日産と章男トヨタの戦い[1](知恵の輪サイト)【みんなが分かりづらい第4次産業革命(1)】学問的認識の誤り、現在は第3次産業革命?(知恵の輪サイト)