6速マニュアルトランスミッション。(画像: トヨタ自動車の発表資料より)

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■EU向け6速MT

 EU向け6速MTは、重量を7kg低減し、全長も24mm短縮。ギヤの設計も、コンピュータプログラムの設計と同じように、容量を削減する天才が存在するが、今回は見直すことで効率化が出来たのであろう。また、クラッチとシフトノブの動きを検知してエンジン回転数をコントロール、自動的に適切なエンジン回転数を用意する「iMT(intelligent Manual Transmission)」を採用している。これは従来のダブルクラッチなどの、アクセルとクラッチペダル、シフト位置などの操作を気にせずギヤチェンジできることを意味する。

前回は:【TNGAの本質を見誤るな(2)】トヨタ近未来5つの技術 それでも中国EVは進む

 シフトノブを触るとクラッチを切る装置は半世紀前から存在したが、エンジン回転をシフトするギヤと車速に合わせてコントロールするシステムは、電子制御の普及した現代ならではの装置である。マニュアルシフトの楽しみは半減するが、素早いシフトが誰にでもできるようになった。これは技術的「功績」なのであろうか?余計な「おせっかい」なのであろうか?

■2.0L (Dynamic Force Engine)ガソリン・エンジンとHV・新しいTHS II

 今回発表のエンジンは、カムリ用2.5Lエンジンをスケールダウンした2.0L ガソリン・エンジンだ。新たな技術としては、ロングストロークのためピストンのスピードが上がるのに対応して、ピストンのスカート摺動面を鏡面化し摩擦を抑えるとともに、レーザーで刻んだクロスハッチ状の溝で油膜保持を行なうものだ。これを「レーザーピットスカートピストン」と称しているが、油膜形成のためとして「世界初」とは考えにくい。案外シリンダー側に溝を切っていたのが、ピストン側にしたことを言っているのであろうか?どちらにしても、わずかな抵抗でも高速となると、燃費に関わってくるのであろう。涙ぐましい努力だ。確かに、このような工夫は日本人ならではのものと言えるのだろう。しかし、このような「カイゼン」がされているのに、巷で「改革」が遅れていると言っているのは極論だろう。

 トルクを重視する現在のエンジンではショートストロークにすることが出来ないのであろうか?HVやターボチャージャーの電動化などで補えれば、低速トルクにこだわってロングストロークにする意味はあるまい。

 この2.0L化したDynamic Force EngineとDirect Shift-CVTを組み合わせた場合、18%の燃費向上と、同じく18%の加速時間短縮を示すという。HVの2.0L THS IIの組み合わせでは9%の燃費向上が出来たようだ。