合格する子はテストで完璧なんて目指さない

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 子どもの学力を上げる方法に限らず、より広い「子育てのヒント」を名門指導会代表 中学受験相談局主任相談員 塾ソムリエ 西村 則康氏が伝授。名門難関中学に2,500人以上を合格させてきたカリスマ家庭教師の最強の子育てのノウハウ、理系脳を育む秘訣とは。

目標達成のために上手な取捨選択の仕方を選ぶ

 家庭教師をしていて、「きっと中学受験に受かるだろうな」と思う子どもの共通点というのがあります。

 その一つが、100点を目指さないことです。そういう子どもは完璧であることより、合格ラインを取ることに計算ずくである、と言えます。

 テストの問題を読んだ後、数秒のうちに「これはできる」「これは時間内にできない」と、一瞬のうちに判断をしています。

 入試時間というのは、無限にあるわけではありません。決められた時間内で問題を解くわけですから、そういう判断ができるかどうかはとても大事なのです。

 受験前になると私が必ずやるのが、合格点を取るためにどの問題を捨てればいいかというのを、子ども自身が見極められようにする練習です。

 私が教える子どものなかには、

「先生、この大問の1だけやって、2を捨てていい?」

と聞く子がいます。そこで、

「じゃあ2をやるのにあとどれくらい時間が必要?」

と聞くと、

「10分かな」

「じゃあ、その10分で解ける小問2題はないかな?」

と、私は質問します。

 入試の目的は合格です。その学校に一番の成績で受かることを目的にしているほんの一部の子どもを除くと、いい点数を取ることではなく、合格点を超えることが目的になります。目標達成のために、上手な取捨選択の仕方を学ぶ。これは、大人にとっても大切な判断力だと思います。自分が望むことを達成するのに必要な道を適切に選ぶ、その訓練は小学生の時からすでに始まっているのです。

受験直前はむやみに不安感を高めない

 さらに受験直前に大切なのは「何が足りないか」ではなく、「何が必要か」を見極めることです。たとえば、

「得意な問題で65点は取れるから、あとこの少し苦手な範囲の問題で5点を取れればOK」

と、そこでこの5点を上げるためのポイントを絞っていきます。

 漢字の配点の多い学校を受けるなら、同音異義語や同訓異義語について集中的にがんばれば、たやすく5点アップすることが可能です。

 算数なら、小問の1番だけでいいから正解しようという作戦を使えば、5点取ることができるのです。

 この時点で気をつけたいのは、苦手なことや忘れたことが一つ見つかったからといって、慌てないことです。受験直前は親も不安感が高まっていて、ある問題が解けないと、

「これを忘れているなら、この基礎になる事柄も忘れているんじゃないかしら」

と確認します。すると、やはり忘れています。

「基礎を忘れているようだと、これに似ているあの公式も使えないんじゃないかしら」

といったように、どんどん焦ってしまうのです。

 それで「あれもやらせなければ」「これもやっておかないと」という項目ばかりが増えて、あれもこれも、子どもにやらせることになってしまいます。

 でも、この状況は非常に危険です。子どもの不安感も一緒に高まって、これまで解けていた問題すらできなくなってしまうことが多いのです。

 どの受験生も完璧ということはありません。100点という理想を追うのではなく、70点を確実に取れるようにするのです。

 それには、「解けるはずの問題」を「より確実に解けるようにする」ことが最重要と言えます。

御三家・灘中合格率日本一の家庭教師が教える 頭のいい子の育て方(西村 則康 著/アスコム)より「最強頭脳のベースをつくる23の法則」

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