売れる写真(左)と売れない写真(右)背景が畳だったり、商品が切れて写っているとだらしなく安っぽい印象に。

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ほんの少しの工夫で、不用品がお宝に! 大流行のフリマアプリを使って、いらないものを「秒速、高額」で売る方法をメルカリ物販コンサルタントが伝授する――。

■「スキマ時間の作業のみで"月5万"稼げる」

いらなくなった衣類や家電、家具、日用品などなんでも即時に出品。その手軽さから、フリマアプリで小遣いを稼ぐ人が急増している。最大手の「メルカリ」は国内で5000万超のダウンロード数というからすごい。

とはいえ、所詮は不用品。どれだけの利益が出るのだろうか。「スキマ時間の作業のみで毎月5万円稼ぐことも可能です」と語るのは、自身も月15万円ほど稼いでいる“メルカリ師匠”こと宇田川まなみ氏。女性ユーザーが多い印象のメルカリだが、男性ユーザーも多く存在し、「レディスよりメンズのほうが取引金額が高い」ため、やりようによっては高額の利益を出すことが可能だという。中古衣類を見ても、レディスの売れ筋が2000円前後のノーブランド品であるのに対し、メンズは3万円、5万円クラスのブランド品が秒速で売れていくとか。楽器や釣り具、ゴルフセット、フィギュアといった趣味のコレクションも売りやすい。

安く簡単に手に入るが、実は希少価値が高いという品も狙い目だ。例えば、出張族がお土産に購入する「その土地限定の銘菓」。ANAグッズなど、飛行機に乗らないと買えないものも、同様に希少価値が高い。あるいは宿泊したホテルのアメニティグッズ。ロクシタンなど女性に人気のブランドならすぐに売れる。車の製品カタログや発売記念のノベルティグッズなど、その仕事の関係者以外は手に入らないアイテムも高値が期待できる。

■「メルカリで探す人はバーゲン前の時期に多い」

本やDVD、CD等を出品するときはメルカリの姉妹アプリ「メルカリ カウル」を使うといい。本についているバーコードをスキャンするだけで出品できる手軽さながら、「新しい本なら定価の100円落ちで売れていきます」と宇田川氏。廃盤や限定盤などレアなCD、DVDの類は、街中の中古販売店では二束三文でも、マニアが目を光らせるメルカリでは、購入価格を上回る値段で売れることもしばしばだ。

家族の持ち物も、売り物になるかどうかを基準に品定めをしてみよう。サイズアウトした子供服は“まとめ売り”が有効。「特にバーゲン前の時期はメルカリで探す人が多いんです」。穴が開いている子供服も、保育園や幼稚園の洗い替え用にと大量に欲しがる人がいる。使いかけの化粧品でさえ「試しに使ってみたい」という女性が多いため、よく売れる。「ブランド化粧品の空き瓶も売れます。鏡台に置いておくとおしゃれなので、安い化粧品を入れて使うんです」。ブランド品なら紙袋や空き箱でも売れるという。

メルカリに出品していて思うのは、主観は人それぞれということ。自分には不要なものが、ほかの人には宝物で、別の使い道がある。コレ誰が買うの? というような品でも、捨てる前にとりあえず出品、でいいと思いますよ」

メルカリを始めるにあたり、手続きに難しいところは1つもない。スマホにアプリをダウンロードし、起動して売りたい品をカメラアプリで撮影。続けて商品説明や価格を入力し、出品ボタンをタップしたら出品完了。非常に手軽だが、ほんの少しの違いで売れ行きが格段に変わるとか。では、「高く売る」ためのポイントは何か。

■商品写真・説明文は「素人っぽいほうが警戒されない」

第一には商品写真。商品ページには複数枚の写真を掲載できるが、ユーザーが目にするタイムライン上に表示されるのは1枚目の写真のみ。その1枚をパッと見るだけで商品の魅力を伝える必要がある。とはいえ「プロ並みのクオリティは警戒されます。素人っぽくていいのがメルカリ」なので、最低限、明るくきれいな写真を心がけよう。そのために自然の光が入る部屋で撮影し、商品を引き立たせるため、白壁か白い布を背景に撮影すると見映えがいい。「新品のバッグ」と説明にあっても散らかった部屋が写り込むと商品まで汚れて見えてしまう。同様に畳の上に乱雑におくのもNG。生活感を出さないために宇田川氏が利用するのが、100円ショップで購入できる造花。商品写真の周囲に配置すると、しゃれた印象になる。また、電化製品などで付属品がある場合はすべて1枚目の写真に載せ、2枚目には電源が入った写真を載せると購入希望者に安心感を与える。

「プロっぽくなくていい」のは商品説明にも言える。心がけるべきは“ストーリー性”だ。どこを気に入って買ったのか、どこが使いやすかったのか、共感できるストーリーが購買欲をくすぐる。特に「なぜ手放すのか」という情報が重要だという。「〜が気に入らなくて」と書くと、難のある商品なのかと買い手はいらぬ心配をしてしまう。「子供が生まれて生活スタイルが変わったから」等、ポジティブな理由を書いたほうがよい。

値付けにもコツがある。売りたい商品がメルカリでどのぐらいの値段で取引されているのか出品前に探り、商品の状態がいいと思えば上乗せを、悪いと思えば値下げを検討したい。

そして出品のタイミングだ。季節やイベントに合わせ、「今、必要としている」人が多いものほどよく売れ、値段も強気に設定できる。ポイントは季節やイベントの少し前に売り出すこと。例えば、入学・入社が多い4月の前月には、新生活に向けた家具・家電、フォーマルな衣類の需要が高まる。不安な人は「まずは一品、購入してみればコツがつかめます」と宇田川氏。習うより慣れろだ。

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▼[月別]秒速で売れる商品はこれだ!
1月:福袋のバラ売り、バレンタイン向けギフト
2月:家具、家電、ホワイトデー向けギフト、入園・入学グッズ、春物衣類
3月:一人用の生活用品、入学祝い品、スーツ、腕時計
4月:ゴルフ用品、釣り用品、登山用品、母の日ギフト
5月:スーツ(夏用)、ネクタイ、カバン、靴、雨具
6月:夏用家電、夏物衣類、アウトドア、ダイエット用品
7月:水着、プール用品、甚平、ゴザ
8月:浴衣、サングラス
9月:デジカメなど運動会用グッズ、ゴルフ用品、秋物衣類
10月:ハロウィングッズ、七五三グッズ、ブーツ
11月:冬物衣類、冬用家電、クリスマス用品、スキー用品
12月:手帳、カレンダー、コート、厚手のアウター、防寒着

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宇田川まなみ
メルカリ物販コンサルタント
『月5万円で暮らしを楽にする 超かんたんメルカリ』(翔泳社)著者。「メルカリ1DAY講座」を全国10都市で開催。のべ250名の受講者がいる。メルカリ師匠として多くのユーザーから支持されている。

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(東 雄介 写真=iStock.com)