眉間に力を入れる表情

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 こんにちは。微表情研究者の清水建二です。

 本日は、面接官向けに就職面接に望む学生さんたちのコミュニケーション能力を見抜く方法をご紹介したいと思います。

 また面接官だけでなく、学生さんにとっても面接官とのコミュニケーションの間合いを測れるためお役に立てる内容です。

 私が研修やセミナーで面接官及び学生さんにお話している面接対策の核となるメッセージは、

「表情・微表情・微動作を手掛かりに相手の感情に沿ったコミュニケーションの流れを醸成する」

 というものです。こうしたことを面接官がすることが出来れば、面接の場でウソやごまかしをしようとしていない学生さんほど、話しやすくなり、等身大の自分を表明しやすくなります。

 同じことを学生さんがすることが出来れば、面接官からの誤解を防ぎ、自分の想いを正確に届けられるようになります(詳しくは当連載の第1回、第25回、第26回を参照)。

 同テーマを扱ったこれまでの連載内容では、相手の表情や微表情が生じた後にどんなコミュニケーションにつなげていくかをご紹介してきました。

「相手の感情の出現を待って出方を変える」という受動的な方法でした。

 今回ご紹介する方法は、面接官の側があえてある表情をつくることで学生さんからある反応を引き起こし、その反応の変化を観て、コミュニケーション能力の程度を見積るという能動的な方法です。

 とても簡単で今すぐ使うことが出来、効果的な方法です。

◆就活生の話を聞くときは、眉間に力を入れてみろ

 その方法とは、学生さんが志望動機や長所や短所を話しているときに、眉間に力を入れた表情をしながら学生さんの話を聞く、というものです。

 眉間に力を入れるとは、眉を中央に引き寄せながら下げた表情のことです。

 この表情は熟考を意味します。

 目の前にこの表情を浮かべている人がいれば、「熟考をしなければいけないほど話の内容が難しい」、あるいは「あなたの話と私の頭の中の情報とを組み合わせています。まだその作業が完了していません」、そんな意味です。

 またそんな意味を目の前にいる人に伝えることが出来ます。

 一方、眉間のしわを通じてこうしたメッセージを伝えられた学生さんの反応パターンは次の通りです。

<コミュニケーション能力が高い学生さん>
 そもそも説明の仕方が明瞭であったり、話の構成が上手いこともありますが、同時に相手の様子を良く観ながら、相手がどんな説明を欲しているのか、どんなところで疑問を抱いているのかを把握し、会話の情報量を調整しようとします。

 具体的には、面接官の眉間に力が入るのに気づけば、話すスピードを下げたり、間を置いたり、「ここまでで何か不明瞭な点はございますか?」などと尋ねてくれます。

<コミュニケーション能力の低い学生さん>
 暗記してきたこと(志望動機や学生時代に力を入れてきたこと)を忘れないうちに吐き出すことが先決になり、あるいは、答えに窮する質問に何とか答えようと四苦八苦し、面接官の眉間のしわを観るどころか、視点は定まらず、中には目を閉じてしまって、自分のペースのままで話し続ける場合が多いです(こうした学生さんでも話しやすい雰囲気にするテクニックもありますが、またの機会に)。

「相手の感情を読み、その感情に合った適切な行動をとる」

 これは元々、私たちの体内に埋め込まれた自然の機能です。しかし、これまでの育成環境やコミュニケーション経験の蓄積、あるいは面接という緊張した場によって、この機能が上手く作動しなくなってしまうのです。

◆眉間に力を入れるテクニックは、通常でも大活躍する

 この「眉を下げて相手の発話の変化を観る」というテクニックは面接だけでなく、様々な対人場面でも利用することが出来ます。