ポルシェEV開発者いわく「Mission Eにはテスラのような制限はない」。冷却性能高く高速巡航も可能

ポルシェ初のEVとなるMission Eの購入を検討している人の多くは、その比較対象としてテスラModel Sを挙げているはずです。

ポルシェのEV開発プロジェクトを率いるStefan Weckbach氏は購入希望者に対して、Mission Eは何度でも最高の性能を引き出すことができ、テスラ車のルーディクラスモードのような連続使用回数の制限などは存在しないと語っています。Weckbach氏の主張では、テスラModel Sは短時間のあいだにルーディクラスモードによる全開加速を「2回だけ」試すことができるものの、それでは最高速度にまで到達しないのだとか。それに比べると、Mission Eは長時間にわたって持続的に最高のパフォーマンスを維持できるとしています。

また、Weckbach氏はバッテリーの充電性能についても、Mission Eがわずか20分の充電時間で250マイル(約400km)が走行可能になるといった、すでによく知られている特徴を紹介。さらにそのEVスポーツカーの実用性、たとえばバッテリー形状の工夫によって後部座席にはしっかり足を収めるスペースがあること、フロントにはモーターや冷却その他のコンポーネントを搭載するにも関わらず、100リッターぶんの容量を持つトランクスペースも確保されていることなどを付け加えました。

ただ、テスラModel Sに関するWeckbach氏の主張は若干正確ではないところがあります。テスラ車はたしかにバッテリー劣化を防止するため、ルーディクラスモードによる全開加速を繰り返すことや、常にモードをオンにすることを制限していました。しかし数か月前のソフトウェアアップデートによって、最新の状態ではその制限は撤廃されています。

それでも、Mission Eにはまだ利点があります。それは最高速度で持続的に走行を続けられるというところ。テスラの高級セダンやSUVは長時間にわたって全開走行を続けられるようなバッテリー冷却性能を備えていないとのこと。

EVに乗る以上、必ず確認しておかなければならない充電設備の充実についてはどうでしょうか。ポルシェの北米チーフであるKlaus Zellmer氏によると、米国内189か所のポルシェディーラーすべてに800V仕様の充電設備の設置を進めており、さらにポルシェ以外の既存の(400V)充電設備ネットワークとも提携を進めているとのこと。こちらは充電時間もかかるものの、とりあえず米国内においてはMission Eによる長距離の移動に心配はいらない模様です。ポルシェは本国ドイツでもアウトバーン沿いに800V充電設備の設置を進めています。

なお、Mission Eはケーブルを接続する必要のない「インダクティブ充電」にも対応しています。自宅のガレージに専用の充電器を設置すれば、Mission Eをガレージに格納するだけで充電が可能です。

記事執筆時点でMission Eの出荷時期は2020年とされます。価格は日本円にして約800万円からで、やはりテスラModel S(約830万円から)とほぼ同じ。この価格帯に手をつける層がどれほど車の実用性や細かいことを気にするかはともかく、ポルシェの「ウチのEVはテスラにこれっぽっちも負けちゃいねえ」との気合いは充分に伝わってきました。