イカツイ見た目と豪華な内装でファミリー層から政財界のVIPまで幅広いユーザーから高い支持を集めているトヨタの最上級ミニバン『アルファード』と『ヴェルファイア』。このクラスでは7割超という圧倒的なシェアを誇る。まとめて「アルヴェル」とも呼ばれる兄弟車『アルファード』と『ヴェルファイア』が揃ってマイナーチェンジされた。

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今回の注目ポイントは先進安全機能「TOYOTA SAFTY SENCE(トヨタセーフティセンス)」が全車に標準装備されたこと。特に、高速道路で車線を維持するためにハンドル操作の補助までしてくれる“半”自動運転機能は今や欠かせない装備になりつつある。今回は、実際にハンドルを握り、その効果を体感するとともに他社製品との違いについても比較してみたい。

さらに迫力を増したエクステリア&インテリア



「アルヴェル」シリーズの人気を支えているのは、なんといっても迫力ある外装と豪華なインテリア。今回のモデルチェンジでは両モデルともにフロントフェイスのメッキ部分が拡大され、さらに力強い印象に。インテリアも最上級グレードの「エグゼクティブラウンジ」にホワイトレザー仕様が追加されるなど、さらにラグジュアリー感が増している。

まず、乗り込んでみたのは運転席ではなく後部座席。そう。この自動車は2列目シートのほうが快適に過ごせるよう作られているのだ。座り心地の良いレザーシートを深くリクライニングさせてオットマンに足を乗せていると、気分はまるで飛行機のファーストクラス。今回のモデルチェンジでますます高まった静粛性についても、運転席よりリアシートのほうが良好。ロードノイズや風切音などはほぼ耳に届かないほどだ。

ハンドルを握っていても快適



ドライバーズシートの乗り心地も高級感あふれるもの。今回試乗したのは2.5L 4気筒のハイブリッドと、3.5LのV6エンジンを搭載したモデルだが、どちらのモデルも車両総重量2.5トンにもなる車体をスムーズに加速してくれる豊かなトルクが持ち味。出足のスムーズさや静粛性ではハイブリッドに軍配が上がるが、運転していて面白いのは3.5Lの方。今回のモデルチェンジで8速化されたATはギア比が最適化されており、キビキビした加速が味わえる。

とはいえこの『アルファード』『ヴェルファイア』の場合、パワートレイン選択の決定権を握っているのはドライバーではなく、おそらく後部座席に座るVIPの方だろう。ただ、どちらをチョイスしても後部座席の快適性や静粛性に大きな差は感じられなかったので、グイグイ加速するV6、ゆったりした走りのハイブリッドといった具合に好みで選んで良さそうだ。ちなみにカタログ上の燃費はハイブリッドが18.4km/L、V6が10.8km/Lと、ガソリン車では従来比で約14%のブラッシュアップが図られている。

自動運転機能も高級感を感じるもの



さて、今回のハイライトでもある新しい「TOYOTA SAFTY SENCE」についてだ。単眼カメラとミリ波レーダーの性能向上が図られており、自動でブレーキをかける「プリクラッシュセーフティ」は昼間なら歩行者だけでなく自転車も検知できるし、夜間でも歩行者を検知可能だ。そしてハンドル操作を支援して車線を維持できる「レーントレーシングアシスト(LTA)」を搭載したのは、トヨタ車としては初めてのことだ。

他社製品でも日産の「プロパイロット」、ホンダの「ホンダセンシング」などの車線維持機能が存在するが、実際に乗り比べてみると「アルヴェル」の制御はかなり高級感のある仕上がりに思えた。前2社のものは、カーブなどでハンドルを握っていると明確に自動車がハンドル操作に介入してくる感覚が伝わってくるが、今回の「アルヴェル」試乗では「本当に介入しているのかな?」と疑ってしまうほど自然な感覚だった。

感覚的な話にはなるが、自動運転を使った長距離ドライブでは、自動車との“信頼関係”が大切。ハンドルを握りながらも操作を自動車に任せられないと、ドライバーも絶えず緊張していることになる。短時間だけの試乗なら明確に介入してくれた方が「操作してくれている」ことが伝わりやすいが、実際のドライビングシーンにおいて長時間運転する場合は、マシンの介入は自然な方が好ましいはず。今後はそうした味付けの違いも、メーカーごとの差別化ポイントになってくるだろう。

というわけで今回体験した「アルヴェル」の自動運転機能は、輸入車勢に劣らない高級感のある仕上がりと言えるだろう。これを標準装備していてガソリン車(2.5L)は335万4480円〜、ハイブリッド車は436万3200円〜という価格はお買い得なようにも思える。もちろん、試乗した「エグゼクティブラウンジ」はどちらも700万円オーバーという価格なのだが……。

関連サイト



アルファード(トヨタ自動車)

ヴェルファイア(トヨタ自動車)

text増谷茂樹