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年齢を重ねるにつれて気になってくるのが、生活習慣病。とくに代表的なリスク要因である高血圧・高血糖・高血中脂質については、健康診断で指摘されたことがあるという人も少なくないのでは?

そんな生活習慣病のケアについて興味深い話があります。これら3要因が1つでも気になっている人はもちろん、いずれも正常値だからと安心している人も必読です。

「3つともケアしてる」はわずか10%

先日、「トリプルリスクを考える会」がアンケート調査結果を発表しました。

調査では対象者(30〜60代の男女1200人)たちに「血圧・血糖・血中脂質が気になるか」について質問。その結果、「1つ以上気になる」と答えた人は全体の53%にのぼりました。

気になり始めた年代では40代が最多。そのきっかけは男女で異なり、男性では「健康診断で悪い結果が出たから」、女性では「メディア等で健康情報に触れて」と回答する傾向が出ました。自身の身に降りかかるまで動かない男性に比べ、女性は健康情報に敏感なようです。

しかし実際に「1つ以上ケアしている」と答えた人は32.1%という結果に。日頃から気になりつつも、なかなかケアまでできていない人も少なくないようで「3つともケアしている」という人にいたってはわずか10.8%でした。

...ただ、仮に気になるものが1つであれば、何かと忙しい日々の中で3つともケアするのはちょっとハードルが高いですよね。数値的に正常であれば、正直なところ「様子見」にしておいてもいい気がしてしまいますが、実はそこに落とし穴があるようなのです。

調査を監修した、生活習慣病関連の疾病に詳しい岡部正先生(岡部クリニック院長)は

「生活習慣病の代表的なリスク要因である高血圧・高血糖・高血中脂質のうち、どれか1つでも該当すると他の2つも悪くなるというリスク(トリプルリスク)があります。当然のことながら、1つだけ数値が高いよりも、2つ3つと要因が重なると、重篤な疾患を起こすリスクが高くなってしまいます」

と解説します。

調査ではこの"トリプルリスク"について知っているかどうかも質問しましたが「内容まで知っていた」という人はわずか5.2%でした。

「健康診断の結果は3つとも正常値だから」と胸をなでおろした人も要注意です。岡部先生によると、健康診断では空腹時など条件が限定されていることもあり、「隠れ高血糖」や「早朝高血圧」、「食後高脂血症」などが発見できない可能性があるというのです。

「たとえ健康診断で異常なしと言われても油断せず、生活習慣病予防のために血圧・血糖・血中脂質、そしてそれらに影響を及ぼしやすい塩分・糖分・脂質分の"3つ同時ケア"をすることが非常に大切です」(岡部先生)

いつまでも健康な生活が送れるよう、これら3つのリスク要因について日頃から意識していきたいですね。

※調査は2018年1月26日から28日にかけ、インターネット上で行われたもの