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●予約は月間目標の5倍、価格は253万円台から

三菱自動車の新型SUV「エクリプス クロス」がいよいよ発売となった。同社にとって4年ぶりとなる新車の市場投入を益子修CEOは、「国内事業の中で最も重要なプロジェクト」と位置づける。燃費不正問題からの完全復活にこのクルマの成功は必須だ。

○パリダカ2連覇の増岡氏も予約済み

「エクリプス クロス」は2014年2月に発売となった「eKスペース」以来、三菱自動車としては実に4年ぶりとなる新型車だ。クーペスタイルを特徴とするSUVで、走りには同社がラリーで培ってきた技術を盛り込んでいる。このクルマについて弊紙では、これまでに商品企画を担当した林祐一郎チーフ・プロダクト・スペシャリスト(CPS)から聞いた話や、モータージャーナリストの岡本幸一郎さんによる試乗記事、新たに導入されたウェブ施策についてなど、複数回に分けて取り上げてきた。

新車発表会にはダカール・ラリー(パリダカ)で日本人初の2連覇を達成したドライバーで、現在は三菱自動車の広報部に所属する増岡浩氏が登場。エクリプス クロスは一般ドライバーの運転はもちろん、増岡氏がテストコースで行うようなアグレッシブな運転にも対応できるクルマだとして、その走りに太鼓判を押した。ちなみに増岡氏は、エクリプス クロスをすでに予約済みだそう。3月中にも納車されると話す様子は嬉しそうだった。

エクリプス クロスの価格(税込み)は253万2,600円〜309万5,280円からという設定。発表会に登壇した三菱自動車の益子修CEOによると、日本国内では2017年12月下旬から予約の受け付けを開始しており、これまでに約5,000台の受注を獲得しているという。月間販売目標は1,000台だ。このクルマは世界80カ国での販売を予定する三菱自動車の世界戦略車だが、すでに欧州、豪州、ASEAN、台湾、北米では販売を開始しており、2018年1月末時点で受注台数は5万3,000台に達しているそうだ。

このように、販売も予約も好調そうなエクリプス クロスだが、このクルマの成功は、三菱自動車の今後にとって非常に重要な意味を持つ。

●中期経営計画達成の鍵を握る商品刷新、今後の方針は明確

○日産にも立派なクルマと思わせたい?

2年前に燃費不正問題が発覚し、三菱自動車はブランドイメージに大きな傷を負った。同社は2017年10月に発表した中期経営計画「DRIVE FOR GROWTH」において、「信頼回復に最優先で取り組み、V字回復軌道に乗せて、持続的成長の土台をしっかり作ること」(益子CEO)を掲げるが、その鍵を握るのが商品刷新計画であり、第一弾となるのがエクリプス クロスなのだ。

燃費不正問題の発覚を受けて三菱自動車の社内では、何が問題だったかを追求すること(過去を振り返ること)と新しいクルマを開発すること(前に進むこと)という、互いに相反する2つの課題に同時並行で取り組んだと振り返った益子CEOは、「開発、生産の苦労は大変だっただろう」と述懐する。それだけに、エクリプス クロスには特別な愛着があり、中期経営計画の達成を引っ張ってくれるものとの期待を抱いているという。

新車が登場しなかった4年間の間に、三菱自動車は日産自動車との資本提携も経験している。エクリプス クロスは、見方によっては三菱自動車が単独で企画・開発した最後のクルマと考えることもできる。日産との資本提携後に世に出る宿命を負ったクルマだったので、「日産にも、立派なクルマだといってもらわなければならないという強い思い」(益子CEO)が三菱自動車にはあったという。

○SUV、4輪制御、電動化が三菱自動車の方向性

エクリプス クロスから始まる三菱自動車の商品刷新計画。今後について益子CEOは、まずプラグインハイブリッSUVの「アウトランダーPHEV」を刷新して今年の夏頃に投入し、その後は発売から50周年を迎える「デリカD:5」をモデルチェンジするとの計画を提示した。

車種が多く、取り組むクルマの焦点が絞りきれなかったと過去の三菱自動車を振り返った益子CEOは、今後のクルマ作りについて「SUVと4輪制御に重点的に取り組んで大きな柱とし、そこに電動車両を組み合わせるという明確な方針」のもとに進めると宣言。エクリプス クロスについても、早期にプラグインハイブリッドモデルを投入したいと話していた。