Facebookでのオーガニックリーチの減少が、パブリッシャーのブランデッドコンテンツスタジオにも影響を及ぼしている。

この半年間で、パブリッシャーがFacebookでブランデッドコンテンツを配信するために費やした金額は大幅に増加したと、コンテンツマーケティングツールを手がけるキーウィー(Keywee)は指摘する。具体的には、2017年第4四半期に、ブランデッドコンテンツの配信にかかるコストが前年同期比で159%も上昇。その前の第3四半期も、前年同期比で231%増加していたという。ただし同社は、実際の増加額を明らかにしていない。

このような増加が起こった要因のひとつは、ブランデッドコンテンツが増えたことだ。以前より多くのコンテンツスタジオが、以前よりたくさんのキャンペーンを制作するようになったため、配信に必要なコストが増えている。ネイティブ広告プラットフォーム企業のポーラー(Polar)の推計によると、2017年には、ブランデッドコンテンツに対する支出は世界全体で50億ドル(約5330億円)となり、2016年の36億ドル(約3830億円)から増加した。ただし、価格の高騰もコストの増加に寄与している。キーウィーによれば、この2カ月間で、パブリッシャーがFacebookに支払うクリック単価(CPC)は、前年同期より16%増えたという。

需要が増えたペイドチャネル



また、オーガニックリーチの減少が今後も続くことが見込まれるなか、ブランドがコンテンツ配信に関してパブリッシャーに求める水準は上がっている。そのため、パブリッシャーのブランデッドコンテンツに対するマージン圧力は高まることになるだろう。

「誰もが知っているとおり、Facebookはアルゴリズムをやや厳しくしている」と、米総合出版社メレディス(Meredith)のコンテンツスタジオであるザ・ファウンドリー(The Foundry)でSVPを務めるクリス・マクローリン氏はいう。「オーガニックな情報発信のみに依存している企業にとっては、このことがマージン圧力になるだろう」。

Facebookのオーディエンスターゲティングは、パブリッシャーが自社サイト以外でオーディエンスへのリーチを拡大するのに役立ってきた

「(パブリッシャーは)いまや、ペイドチャネルからやって来るユーザーのエンゲージメントが高いことに気づいている」と、キーウィーで最高戦略責任者を務めるジャレド・ランスキー氏はいう。「オーガニックな情報発信の契約を5万ドル(約530万円)で販売しなくても、Facebookでの配信契約を25万ドル(約2660万円)で販売できる」。

だが、トレードオフもある。そのひとつはオーガニック検索が減少することだ。そのため、パブリッシャーは、これまで無料で得られていたのと同じレベルを維持するために、より多くのコストを支払う必要がある。料理サイトのクッキングパンダ(Cooking Panda)でCEOを務めるアイタン・エルバス氏によると、彼の会社ではブランデッドコンテンツのほとんどがオーガニックだが、これまでオーガニックに得られていたのと同じリーチを獲得するために、支払うコストを「かつてないほど」とはいわないまでも、「相当な金額」に引き上げる必要があったという。

データ活用でもコストが増加



コストが上昇している2番目の理由は、ブランドとエージェンシーによる精査が以前より厳しくなったことにある。彼らは、自分たちのコンテンツがリーチする人々についての情報を詳しく求めるようになった。そればかりか、自分たちのオーディエンスセグメントを利用するようパブリッシャーに提案している。そのため、たとえブランドにとって意味のないインプレッションが減ったとしても、コストが上がる可能性があるのだ。かつてニューヨーク・タイムズ(The New York Times)やハフポスト(HuffPost)でブランデッドコンテンツエディターを務め、いまはブランデッドコンテンツコンサルタントを務めるメラニー・デジール氏は、そう指摘する。

マクローリン氏をはじめとするパブリッシャー幹部らによると、Facebookがニュースフィードでパブリッシャーのコンテンツの表示回数を減らすことを明らかにしたあとも、一部の人が予測していたような劇的なリーチの減少はまだ見られないという。だが、たとえそのような減少が起きたとしても、広告主はブランデッドコンテンツを作るためにパブリッシャーを利用し続けると、彼らは予測している。また、Facebookのターゲティング能力を考えれば、広告主はコンテンツを配信するためにFacebookを利用すると、パブリッシャーは考えている。

「我々はブランドパートナーとともにコンテンツを制作して、成功を収めてきた。そのことを考えれば、ブランドがFacebookでコンテンツを配信するためにコストを増やしていても驚きではない」と、フードビデオを手がけるテイストメイド(Tastemade)でプログラミング担当責任者を務めるオーレン・カツェフ氏は語っている。

Max Willens(原文 / 訳:ガリレオ)