江陵スピードスケート競技場

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【ニュース提供=スポーツ・ソウル】平昌五輪組織委員会が発表した“黒字五輪”。

その意味を遠い未来にも反芻するためには、五輪が終わった後のことの方が重要となる。

中心となるのは、13箇所の競技場の事後活用の問題だ。冬季五輪を招致したどの国でも、“五輪レガシー(遺産)”の活用案は、いつも議題に挙がる。

ただ、もともと冬季スポーツ文化が欧州などほかの大陸よりも定着できていなかった韓国では、競技場の事後活用の問題は、さらに議論を重ねなければならない。

200億円以上を投じた競技場も

そもそも、開・閉会式が開かれたオリンピックスタジアムをはじめ、13の競技場のうち7つは新設、6つは補修された。

競技場を多角的に活用するために、政府が引き受けるべきだという立場と、五輪を開催した江原(カンウォン)道が担わなければならないという意見が対立してきた。

江陵(カンヌン)スピードスケート競技場、江陵ホッケーセンター、旌善(チョンソン)のアルペン競技場の3箇所は、事後の活用案が明確に決定されていない状態にある。

江陵スピードスケート競技場は、1300億ウォン(約130億円)を投じて建設した。

当時、国家代表の練習場としての活用や、ワールドカップの開催などを検討したが、30億ウォン(約3億円)の年間運営費を江原道が負担するのは難しいという意見が挙がった。

また、1100億ウォン(約110億円)を投じた江陵ホッケーセンターは、アイスホッケーチームを運営する大明(デミョン)グループが管理すると2016年に協約まで結んだが、振り出しに戻った。

旌善アルペン競技場も同様だ。

2034億ウォン(約203億4000万円)を投じた同競技場は、建設当時、半分以上を補修するという環境部の条件付きの承認によって工事が行われた。

しかし、山林庁の中央山地委員会の審議で、「江原道が用意した事後活用計画を補完しなければならない」との意見を提示したことで、最終決定が見送られている。

江原道は、1988年に開かれたソウル五輪の競技施設のように、政府レベルで管理を行うため、国民体育振興法の改正などを推進しているが、政府や国会などから賛同を得られていない。

撤去・売却案があったが…

チェ・ムンスン江原道知事は、今大会で南北スポーツ交流などが行われたことを考慮し、2021年の冬季アジア大会の南北共同開催を推進。事実上、五輪施設を解体するのではなく、維持する方針を固めている。

(参考記事:「次は南北合同と単独、どっちがいい?」韓国女子アイホ、セラ・マリー監督の回答は…)

チェ知事は、「競技場の維持費があまりにも大きいため、一部は撤去し、一部は企業に売却する形で(事後活用を)考えたが、五輪が開かれるうち、維持していくという意見に変わった」と話した。

しかし、江原道は、スケート施設について国に75%の支援を求めたが、政府は明確に反対の意思を示している。費用とは別に、どれほど効率的に活用できるかどうかが未知数だからだ。

江陵ホッケーセンターにしても、一般人はもちろん、特定のチームが使うには規模が大きすぎる。

それでも江陵スピードスケート競技場は、各種大会の招致と代表選手団の練習場として確実に位置づけられれば、使い道はある。北京冬季五輪を控え、各国選手たちの練習場として活用することもできる。ただ、30年前のソウル五輪の遺産と比べると、依然として接近性の問題がある。

韓国政府も、国際オリンピック委員会(IOC)や外国メディアから好評を得た競技施設を、最大限に活用しなければならないとの点において、同じ意向である空気を漂わせている。

結局は、中央政府と地方自治体がどのように競技場運営の財政を分担するかが肝となる見通しだ。

(構成=李 仁守)