「玉龍(山廃)」(3720円/720ml)/木下酒造

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伏見や灘など、全国的に有名な酒処を持つ関西。だが、ほかにも銘酒を生み出す酒蔵が点在する。そこで地酒ソムリエ2人がオススメする関西ローカル沿線の地酒を解説!ローカル列車に乗って、酒蔵を訪れてみよう!<※情報は関西ローカル列車ひとり旅(2018年1月29日発売号)より>

【写真を見る】「純米無濾過生原酒 クラウド」(2550円/1800ml)/池田酒造

【地酒ソムリエPROFILE】

石黒建大:飲食店に勤務するかたわら、酒匠・日本酒学講師・日本酒セールスプロモーション研究員として活動。主に日本酒の中世〜現代の歴史文化に関しての研究を行い、料飲専門家団体連合会より特別功労賞と学術奨励賞を受賞。

古田豊弘:日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会理事。天橋立で「酒鮮の宿まるやす」を経営する一方、各地で日本酒カルチャースクールの講師として日本酒の普及に努める。かつて京都丹後鉄道「くろまつ」地酒コースのメニューを監修。

■ 地酒ソムリエおすすめ!関西ローカル沿線の地酒10選

「玉龍(山廃)」(3720円/720ml)。「“自然界に生息する酵母”で醸していて、力強く芳醇な日本酒に。吟醸系の香りは控えめで、さまざまな料理と合わせて楽しめます」(古田)

■木下酒造<住所:京丹後市久美浜町甲山1512 電話:0772-82-0071 時間:9:00〜17:00 休み:なし 交通:京都丹後鉄道かぶと山駅より徒歩3分>

「純米無濾過生原酒 クラウド」(2550円/1800ml)。「季節や販売店限定の商品。従来の無濾過生原酒のどっしりしたイメージから、飲みやすさとスッキリさを追求した軽快な飲み口です」(古田)

■池田酒造<住所:舞鶴市中山32 電話:0773-82-0005 時間:9:00〜18:00 休み:日曜 交通:京都丹後鉄道東雲駅より徒歩10分>

「綾小町 原酒」(1207円/720ml)。「この蔵の酒は、元来原酒ではありがちな“濃いイメージ”は薄く、キレのよい飲み口とまとまりの良い味わいが特徴です」(古田)

■若宮酒造<住所:京都府綾部市味方町薬師前4 電話:0773-42-0268 時間:8:30〜17:00 休み:日曜 交通:JR綾部駅よりタクシーで5分>

「月桂冠 レトロボトル 吟醸酒」(2160円/720ml)。「キャップが猪口になり、揺れてもこぼれない構造で『駅売りの酒』として知られていました。現代の鉄道旅にも連れて行きたい逸品です」(古田)

■月桂冠大倉記念館<住所:京都市伏見区南浜町247番地 電話:075-623-2056 時間:9:30〜16:30 休み:盆、年末年始 交通:京阪伏見桃山駅より徒歩10分>

「六歓 みのり 純米酒」(1140円/720ml)。「85%という低精米で“米の風味”にこだわったお酒。旨味が全面に来る味わいは、和食はもちろんチーズやクリームソース類のパスタとも好相性です」(古田)

■東和酒造<住所:京都府福知山市字上野115、116、117番合地 電話:0773-35-0008 時間:9:00〜17:00 休み:日祝 交通:JR福知山駅よりバス24分、生野里より徒歩5分>

「櫻正宗 焼稀 協会一号酵母」(2684円/720ml)。「明治時代、国立の醸造試験所が優れているとした『協会一号酵母』は櫻正宗がルーツ。キレがよくふくよかで酸味が強い。文明開化の味がするかも?」(石黒)

■櫻正宗記念館「櫻宴」<住所:神戸市東灘区魚崎南町4-3-18 電話:078-436-3030 時間:10:00〜19:00 休み:火曜 交通:阪神魚崎駅より徒歩5分>

「天野酒 古式造り 僧房酒」(1800円/300ml)。「豊臣秀吉が愛飲したという“幻の銘酒”『天野酒』を忠実に再現したお酒。芳醇で甘口ながらあと味のキレがよい、現代に通じる銘酒です」(石黒)

■西條<住所:河内長野市長野町12-18 電話:0721-55-1101 時間:要問い合わせ 休み:なし 交通:南海河内長野駅より徒歩7分>

「庄の郷 Hajime」(1404円/500ml)。「大阪大学の日本酒サークルと提携して生まれた、若い世代好みの日本酒。甘口でキレがよくさわやかで、かつ飲みやすい味わいの銘酒です」(石黒)

■北庄司酒造店<住所:泉佐野市日根野3173 電話:072-468-0850 時間:要問合せ 休み:土日祝不定休 交通:JR日根野駅より徒歩15分>

「黒牛 純米酒」(1240円/720ml)。「柔らかく滑らかな旨味と凝縮した果実感が特徴。非常に飲みやすく、日本酒らしい味わいながら、個性があり飽きの来ない銘酒です」(石黒)

■名手酒造店<住所:和歌山県海南市黒江846 電話:073-482-0005 時間:10:00〜18:00 休み:なし 交通:JR黒江駅より徒歩12分>

「春鹿 純米 超辛口」(1566円/720ml)。「南都諸白の名で知られた奈良。今も多くの銘酒があり、このお酒もキレよくシャープな味わいの辛口酒として、この蔵のベストセラーです」(石黒)

■今西清兵衛商店<住所:奈良市福智院町24-1 電話:0742-23-2255 時間:9:00〜17:00 休み:イベント開催時 交通:近鉄奈良駅より徒歩15分>

■ 関西には日本酒の二大産地が存在

古来より日本酒の二大産地として知られる、灘と伏見。現代の都道府県に当てはめると灘=兵庫県は日本酒全体の約30%の生産量を誇り、伏見=京都府は約17%で2位。蔵の数では兵庫県が71蔵で全国3位、京都府が42蔵を数えます。兵庫県は酒造好適米「山田錦」の日本一の産地。近畿各地では「五百万石」などが造られています。近畿地方は水、米、歴史(伝統的製造手法)の3拍子そろった、全国でも有数の日本酒産地だと言えるのです。(石黒)

■ 水にこだわって地域を見てみる

日本酒の味わいは、かつての「灘の男酒、伏見の女酒」等の地域的な傾向から、今は「無濾過生酒」や「精米歩合」など製法による違いが多く見られる。香り重視のもの、味わいを重視したもの等があるが、その中でも各地の蔵を訪ねたら、ふれてほしいのが酒造りに使用する「仕込み水」。蔵は「水」を中心に酒造りを考えており、水の硬度でできるお酒が変わってくる。たとえば京都府だけでも、伏見地区は中硬水、北部では軟水が使われるなど、水質の違いによる地域特性が見える。(古田)【関西ウォーカー編集部】(関西ウォーカー・編集部)