電子マネーは今やあらゆる生活シーンに広がっています(写真:visualspace/iStock)

コンビニ、大手スーパー、ドラッグストア、ファミレス、書店、タクシー、駅構内の自販機など、電子マネーは今や日常の決済シーンのほとんどをカバーする存在になりました。

個人商店の飲食店や小さなファッションブティックなどは非対応であることが多いものの、こうしたお店でも駅ビルに入居している場合、交通系電子マネーが使えるケースもあります。

ここまで電子マネーを「使える環境」が広がってきた今、皆さんは電子マネーを使わなければ「割高」な消費方法になっていることに気がついているでしょうか。

クレカ連動でポイントゲット

電子マネーの多くはポイントがつきます。あるいはクレジットカードからチャージをすることでクレジットカードのポイントがつけられます。たとえば、

SuicaはVIEWカードからのチャージで1.5%還元(ビューサンクスポイント)、駅ナカのコンビニやイトーヨーカドー等での支払で0.5%還元(JRE POINT、要登録)
楽天Edyは楽天カードからのチャージで0.5%、Edy支払で0.5%の還元
nanacoはセブンカードプラスからのチャージで0.5%、nanaco支払で1%の還元
WAONは支払で0.5%の還元

といった感じです(実際には100円単位あるいは200円単位で1ポイントの付与され、端数は切り捨てとなる)。

言い換えれば、「電子マネーで買うと、現金で買うより割安」になる、ということです。

クレジットカード決済を行い、一括払いを指定すれば、利息ゼロで標準0.5%のポイントが付与されますが、それ以上にお得な買い物を可能にするのが電子マネーというわけです。

電子マネーといえば、「レジで小銭を出す手間が省ける」とか「自動券売機に並ばずに電車に乗れる」というような省力化ばかりが紹介されますが、マネープランとして「割安」になる点も実は大きいのです。

少しでも無駄遣いを抑えたい家庭においては、「電子マネーの積極導入」が家計の節約につながる可能性があります。少し本気で考えてみるヒントを紹介しましょう。

「電子マネー生活」への切り替えは難しくない

すでに交通機関を利用するためSuicaを持っているのであれば、そこから電子マネー生活への切り替えを始めるのはとても簡単です。通勤通学用のSuicaがそのまま電子マネーとして何の手続きもなく決済に利用できます。プラスチック製のICカードを入手する方法であれば、nanaco、WAON、楽天Edyなどは簡単に利用開始できます。

あるいはAndroidスマホないしiPhoneを手元に持っているのであれば、電子マネー生活へのシフトはそれほど難しいものではありません。

AndroidスマホにAndroid Payをインストールすると、nanacoと楽天Edyについては簡単に設定できます。国内メーカーのAndroidスマホであればモバイルSuicaが初期設定でインストールされていますから、これも簡単に設定できるでしょう。

iPhoneについてはiPhone7以降の機種であればApple Payが設定可能であり(これは国内の既存の電子マネーをインストールする仕組みのことです)、最も簡単なのはSuicaの設定で、Suicaアプリをインストールしてクレジットカードとリンクさせるだけで、ワイヤレスでチャージし決済できるようになります(VIEWカードとのリンクが還元率が高い)。

Apple Payでは、クレジットカードと直接ひも付け、クレジットカードのポイント還元率を得られるiDおよびQUICPayの電子マネーが利用できます。

生活圏内の利用シーンをチェックし、2つの電子マネーを設定しておくと、「ポイント取り漏らし」は大きく減らすことができます。たとえば、電車に乗るしイオンをよく利用するなら、SuicaとWAONを所有する、イオンよりセブン‐イレブンやイトーヨーカドー、デニーズの利用率が高いなら、WAONではなくnanacoにする、といった具合です。

「子どもに電子マネーは無理」と考える必要もありません。交通系ICカードにお小遣いをチャージしておけば、「塾の行き帰りの交通費」「コンビニやマクドナルド等での軽食費用」などはすべて支払えます。チャージのたびに明細書をプリント、提出させることで使途確認も簡単です。

時々、iPhoneXなのに手帳タイプのケースにしていて、Suicaを挟んでいる人を見掛けますが、それならいっそのことスマホに電子マネーも一体化させてしまうことをお勧めします。

ポイント「多重取り」にも電子マネーが有効

家計における電子マネーの魅力は、さらに広がります。「利用者限定の付加サービス」があったり、「ポイント3重取り」「ポイント4重取り」を行う軸になるところです。

付加サービスは、お店のキャンペーンの対象が、電子マネー利用者に限られるようなものです。

nanacoであれば、イトーヨーカドーの利用で8のつく日はハッピーデーとして5%オフになります。また、セブン‐イレブンやイトーヨーカドーで特定商品を購入するとポイントを付与するようなキャンペーンもしばしば開催されています。特定のショップで利用するとポイント付与率がアップするようなキャンペーンもチェックしておきたいところです(たとえばビックカメラでnanacoを利用するとポイント還元率が2倍にアップするキャンペーンなど。同キャンペーンは1月8日に終了している)。

WAONの場合だと、イオン等で5のつく日はポイントが2倍、毎月10日はポイントが5倍になります。対象商品にポイントが付与されるキャンペーンはnanacoと同様に随時行われています。たとえばペットボトル1本に10ポイントつくような感じですが、お買い得商品がさらに安く購入できるチャンスです。

ポイント多重取りも、電子マネーの活用がカギとなります。たとえば、「クレジットカードからのチャージでポイント獲得」→「電子マネー利用でポイント獲得」→「お店のポイントカード等でポイント獲得」→「駅ビル等のポイントカードがあればさらにポイント獲得」のように複数のポイント獲得チャンスを目指すものですが、クレジットカードと電子マネーを連携させることが前提となります。

たとえば、(VIEWカードからモバイルSuicaにチャージで1.5%相当)+(書店のポイントカードで1%相当)+(駅ビルのポイントカードで1%相当)という支払いをすれば、ポイントの3重取りということになります。定価は原則として変わらない書籍を購入して3.5%の相当の値引きになると考えるとこれはおいしい話です。

2〜3%の割引をこまめに獲得できると、毎月の家計においては大きな節約になります。家族全体で月16万円程度の日常支出があって、3%がポイント化されるとすれば月4800円相当にもなるインパクトです。

家族でファミレスで食事ができると思えば、やりがいも出てくるでしょう(もちろん、その決済も電子マネーやポイントを貯めておきたい)。

ただし、電子マネー決済にもいくつかの落とし穴があります。最終的な支払い時点が「ズレ」るものとそうでないものがあることです。

電子マネーのチャージ方法はクレジットカード経由と、現金を店頭で渡してチャージする方法とがありますが、クレジットカードを介した支払いをすると支払いは翌月以降になり、現金チャージだとその場で支払うことになります。つまり同じ月に使ったおカネであるはずが、支払時期が混在することになるわけです。

通常のクレジットカード利用の場合、臨時に行われる高額出費であるか、携帯電話料金のように定期的な引き落としが行われるものが中心でしたが、電子マネーのクレカチャージは日々の日常的な支出がここに不定期に紛れ込んでくることになります。

「給与振り込み日前で、現金があまり残っていないから、クレカチャージの電子マネーでやり繰りしよう」と電子マネーを乱用し始めると、翌月や翌々月の家計がいきなり苦しくなりますので、なるべく利用額をコントロールしていくことがコツです。たとえば子どものSuicaなども「交通費や食費を考えて月○○円入金しておくからこの範囲で使いなさい」のようにしたいところです。

少額決済が多い点にも要注意

また、おカネを使ったという実感が得にくくなることも注意が必要です。現金を使った感覚が持ちにくいクレジットカードは、それでも高額出費にもっぱら利用することで、心理的には区別することができました。しかし、電子マネーは少額決済に使われることが多いため、決済のたびに重みを感じることが難しくなっています。

小銭を支払う必要がなくスマートな分、「今580円を財布から出して支払った」というようなリアルな「重み」を持てない悩みがあるわけです。2〜3%ポイントバックされたとしても、支出が5%以上膨張するようでは意味がありません。電子マネーに切り替えていく場合は、何でも軽い気持ちでレジに持ち込まないよう意識したいところです。

中国都市部では90%以上の決済がスマホで行われているそうです。日本でも近い将来モバイル決済を中心とした世界に移行するでしょう。

そのときになって慌てるくらいなら、今のうちから電子マネーの使い方に慣れておくことをお勧めします。最初は「割安」に飛びついて、使ってみながら慣れていくくらいでいいのです。

まずは毎週4000〜5000円くらいチャージして、コンビニやキオスクの買い物を電子マネーに切り替えていくところから始めてみてはどうでしょうか。