日本ではほとんどのクルマがAT車となるなかで、普通免許もAT限定免許を取得する人の割合が、限定なしのMT免許のそれを上回っています。しかしながら、男性はどちらかというとMT免許を取る傾向も。どのような背景があるのでしょうか。

MT免許は8割が男性

 いまや日本国内のほとんどのクルマが、クラッチ操作などが不要なAT車です。カーディーラーの業界団体である日本自動車販売協会連合会(東京都港区)によると、2016年に国内で販売された乗用車(軽自動車と輸入車除く)のうち、じつに98%以上がAT車となっています。


MT車の運転イメージ。東京ではMT免許を取るのは男性のほうが多いという(画像:mingazitdinov/123RF)。

 このようななか、指定自動車学校で普通免許を「AT限定」で取得する人の割合も、2009(平成21)年以来、限定なしのMT免許を上回っており、2016年ではAT限定とMTとでおよそ6対4となっています。

 ただ、免許をAT限定で取得するか、MTで取得するかは、男女で差があるようです。東京都葛飾区の平和橋自動車教習所によると、2018年1月現在に東京都内の指定自動車学校でMT免許を取得した人の8割は男性だといいます。同教習所に話を聞きました。

――やはり女性のほうがAT限定免許を取得する人が多いのでしょうか?

 はい。2018年1月現在、東京都内におけるAT限定免許取得者数の男女比は、およそ4対6です。ただ男性の取得も増えています。

――MT免許を取る人は、どのような理由で取るのでしょうか?

 親に勧められて、という人が多いです。現在はMTとATの違いすらわからない人も増えているのですが、入所するにあたってどちらをとればいいのかを、身近な親に相談したところ、「とりあえずMTにしておけば」となるわけです。

女性はなぜAT限定を選択するのか

――女性がAT限定を選択することが多い理由はありますでしょうか?

 女性は割り切る傾向です。たとえば私が「ヨーロッパではMTも多いですよ」などといっても、「ATで結構」といわれます。まず教習がラクというイメージがあり、教習所であまり苦戦したくない人がATを選ぶのでしょう。周りの友達にAT限定が多いので私も、という人もいますし、特に女性に対しては、親がMTを勧めることもあまりないようです。

 ごくまれに、「家のクルマがMTだから」という理由でMTをとる女性もいますが、これは自分のクルマを買う想定ではなく、家のクルマに乗れればよい、という意識でとるケースが多いと思います。

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 ちなみに、2017年3月より新設された「準中型」は、車両総重量3.5t以上7.5t未満のトラックと普通自動車が運転でき、MTのみというものですが、取得者の96%以上が男性といいます(2018年1月の東京都内における取得者数)。MT普通免許取得者数の減少に拍車をかけていると見ることもできるでしょう。

 なお、全日本指定自動車教習所協会連合会によると、AT限定普通免許や、MT普通免許取得者数の男女比は、都道府県の指定自動車教習所協会によってはこれらを算出していないところもあるため、全国的な数値は把握していないそうです。

【表】「準中型」新設で免許制度はこう変わった


準中型は車両総重量3.5t以上7.5t未満の自動車を運転できる。従来の普通免許では、5t以上の自動車は中型免許以上でなければ運転できなかった(警視庁の資料をもとに乗りものニュース編集部で作成)。