松下幸之助の「負けっぷり」に学ぶ、失敗の危機管理術

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新著『図解 なぜかミスをしない人の思考法』を出版した失敗学の権威、中尾政之東大大学院教授が、同書の中から、失敗の予防法を“科学的”視点から指南する。今回は、「失敗」に対する対応力について。失敗したときにどう始末をつけるか、その覚悟を持つことこそリーダーの要諦だ。

腐れ縁の取引先を切れないのは
「慣性の法則」が働くため

 まったく儲からないのに取引をやめない。

 理由を聞くと、「先代から取引があるから」「長いつきあいだから」のひとこと。

 新規の取引先と商売するときにはハードルが高いくせに、既存の取引先だとハードルなどないに等しい。これを「腐れ縁」といわずしてなんといえばいいのか。ビジネスの世界にも物理学同様、「慣性の法則」が働いている。

 その点、私の知人の某外資系経営者は次から次へと会社を再建しているが、きわめてドラスティックに事業を行っている。ルノー・日産自動車のカルロス・ゴーン氏さながら、取引関係が長かろうと切るべき会社は躊躇せずに切っている。おかげで業績はあっという間にV字転換しているが、現場の営業マンからは評判が悪い。

「昔からの顧客を無下にはできない」

「なんとか考え直してもらえないか」

 というわけだ。この気持ちはわからないではない。膝を交えて築いてきた人間関係を売上、利益という数字だけで切り捨ててしまうのは納得がいかない。

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