クラウドSIMサービスを手掛けるuCloudlink社は、Mobile World Congressで「S1」「P1」の2機種を展示している。「S1」はスマートフォン、「P1」はフィーチャーフォンとなる。

クラウドSIMを内蔵したスマートフォンの「S1」

フィーチャーフォンタイプの「P1」

 uCloudlinkは、eSIMの一種となるクラウドSIMを開発、提供する会社で、対コンシューマー向けにはGlocalMeというブランドの製品を販売している。日本でも、Amazonで同社のWi-Fiルーターを購入可能だ。一方で、同社の主力はB2Bとなり、製品をカスタマイズした上で、それぞれの会社に納めている。日本では、FREETELブランドを取得したMAYA SYSTEMがjetfiとして、同社のWi-Fiルーターを取り扱っているほか、正規代理店としてグローカルネット社も販売を行っている。

 海外に渡航した際に、それぞれの国のキャリア設定を端末側に書き込む仕組みで、ユーザーは割安な料金でデータ通信を利用できる。ただし、iPadに採用されるApple SIMなどのように、ユーザー側が個別にキャリアと契約するという仕組みではなく、Wi-Fiルーターを販売する会社が一律で海外向けの料金を設定している。

 これまで、XiaomiやCoolpadなどの中国メーカーが、スマートフォンでuCloudlinkのクラウドSIMを採用している。これに対し、S1、P1はuCloudlink自らが開発したスマートフォン。この端末をベースに必要なカスタマイズを施し、パートナーに販売していく計画だ。日本では、MAYA SYSTEMが、FREETELブランドでeSIMを内蔵したスマートフォンを販売すると発表しており、この端末がベースになる可能性が高い。

 端末にはGlocalMe専用アプリが内蔵されており、ここからデータプランの契約などを行える仕組みになっていた。通常のSIMカードスロットも採用しており、自国にいる際は普段のキャリアを、海外に出かけた際にはクラウドSIMを使うといったことが可能になる。ディスプレイは5.5インチで、メモリ(RAM)は4GB、ストレージ(ROM)は64GB。型番は明記されていなかったが、クアルコムのチップセットを採用するという。

端末に内蔵されたアプリからデータプランの購入ができる

設定を見ると、クラウドSIMはSIMカードスロットの1つとして機能していることが分かる

本体は金属製。背面のロゴは、パートナーに合わせて変更していくという

 uCloudlinkによると、フィーチャーフォン型のP1も、日本で販売する計画があるという。P1も形状こそフィーチャーフォンだが、OSにはAndroidを採用。ブラウジングなどは、端末から直接行える。一方で、クラウドSIMの主な用途は、テザリングになる。側面にはテザリング専用ボタンを備えており、スイッチを入れるだけで機能がオンになる仕組みだ。いわば、フィーチャーフォンとWi-Fiルーターを1台にした商品といえるだろう。

フィーチャーフォン型のP1もAndroidベースで、ブラウジングも可能

側面には、テザリング専用のスイッチを装備

 海外での電話代を抑えるための製品も、同社ブースに展示されていた。4月頃の発売を予定しているというSIMBOXは小型の箱に、4枚のSIMカードが入る端末。これを家などのネットワーク環境がある場所に置いておくと、電話をスマートフォンにインストールしたアプリで行える。海外渡航時に自宅にSIMBOXを置いておけば、着信があった際に国際ローミングの料金を払う必要がなくなるというわけだ。

4枚のSIMカードを挿せるSIMBOX

海外にいながら、居住地の電話を使える。居住地の電話番号に電話を発信したり、海外で着信したりするときの料金が大幅に下がる

 スマートフォン側はデータ通信がつながっている必要はあるが、Wi-Fiや現地のSIMカードのほか、uCloudlinkのGlocalMeも利用できる。GlocalMeの仕組みをより便利に使うための製品といえそうだ。

 FREETELが採用するなど、日本でのビジネスを拡大しているuCloudlinkだが、同社は3月に日本法人を設立する予定だという。