元日本代表MF中田英寿が語る「現役引退論」とは? 「家族から離れるようなもの」

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2006年ドイツW杯後、29歳の若さで現役から引退した中田氏

 日本サッカー界を長年けん引した元日本代表MF中田英寿氏は、「Omnisport」のインタビューでサッカー選手にとっての“現役引退”について言及。

 「家族から離れるようなもの」と持論を語っている。

 日本代表で長年プレーし、国際Aマッチ通算77試合11得点の実績を誇る中田氏は、日本にとって初出場となった1998年フランスW杯から3大会連続で出場を飾った。1995年にベルマーレ平塚(現湘南ベルマーレ)でJリーグデビューを果たすと、1998年夏にイタリアのペルージャに移籍。2000年1月にはローマに籍を移し、リーグ優勝にも貢献した。

 その後はパルマ、ボローニャ、フィオレンティーナとイタリアのクラブを渡り歩き、2005年夏にイングランドのボルトンへ移籍。ドイツ・ワールドカップ後の2006年夏に現役から引退した。

 インタビューでは「選手にとって引退時期を決めることがなぜ難しいのか?」と問われ、中田氏は「選手にとって現役を引退することは……」と切り出すと、数秒間考え込んだ。そして、「家族から離れるようなものだ」と持論を口にしている。さらに「難しい決断を下さないといけない。自ら喜んで引退する選手はいないだろう」と続けている。

引退するなら…「自分で決断するほうを好む」

 中田氏は29歳の若さでスパイクを脱いだ。まだ第一線でプレーできる年齢であり、総合力は日本トップクラスを誇っていたなかでの決断だっただけに、当時周囲からは引退を惜しむ声も数多く上がっていた。

 だが中田氏は「いつかは引退しないといけない」と冷静に選手生活の幕引きについて触れる。そして「選手自身が決めることもあるし、チームが決断を下す時もある。僕は選手が自分で決断するほうを好むけどね」と明かし、自らの意思による現役引退が好ましいとしている。

 サッカー界に限らず、現役選手にとって“引退”は切っても切り離せない。中田氏は「家族から離れるようなもの」と定義しているが、選手の数だけその答えがありそうだ。

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images