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首都圏の電車の女性専用車両をめぐるトラブルについて、テレビのワイドショーが連日取り上げている。

異なる局・番組で、2人の女子アナが「周りでも1度も痴漢にあったことがないのは10人に1人ぐらい」「周りのほとんどが痴漢にあっている」と発言。「そんなに多いのか」と驚く声もあがっている。

「1度もあったことがない人って10人に1人ぐらい」

複数のワイドショーが、ネット上で注目を集めたトラブル動画を紹介。東京メトロ千代田線の女性専用車両にあえて乗り込んだ男性らが、周囲の女性らと「降りろ」「降りない」と言い合いになる様子が映っており、男性らは、協力はあくまで任意であり、女性専用車両に自分たちが乗るのは違法ではない、などと主張。電車は「10分以上」遅延した。同様の動画は、JR京浜東北線のバージョンもある。

「羽鳥慎一 モーニングショー」(テレビ朝日系)は2018年2月27日、この動画を取り上げた。宇賀なつみアナウンサー(31)は感想を求められると、女性専用車両が「大前提として痴漢対策」だとした上で、

「周りでも1度も痴漢にあったことがない人って10人に1人ぐらい。ほとんどの人は、1度はあっていますから、そういう人が安心に電車に乗れるってだけでありがたいと思ったし...」

と、その存在意義を強調した。

翌28日には、「直撃LIVEグッディ!」(フジテレビ系)でも両動画を取り上げた。三田友梨佳アナ(30)は、痴漢にあうことの恐怖心は、実際にあった人でないと分からないとした上で、

「私の周りのほとんどの(女性の)人が痴漢にあったことがあって、痴漢にあうと声も出ないし、動きもとれない」

とその深刻さを指摘した。さらに、痴漢にあうとトラウマにもなるとして、女性専用車両の必要性を訴えた。その後の場面では、男性専用車両があってもよい、と「女性にだけ専用車が...」という一部の不満層への理解も示した。

こうした発言が放送されると、ツイッターには

「確かに痴漢にあった事は数回ある」
「毎日電車通勤してて痴漢に一度もあったことないって女性を知らない」

と一定の理解を示す声や、

「ほんと?そんなに痴漢がいるの?」
「マジかい。そんな話初めて聞いたぞ」

と驚く反応も寄せられた。

「1年間」に被害に遭った人の割合は

実際、どの程度の割合で痴漢被害にあっている女性がいるのか。やや古い調査ではあるが、2011年3月に警察庁の研究会が公表した「電車内の痴漢撲滅に向けた取り組みに関する報告書」によると、「過去1年間に電車内で痴漢被害にあった」女性は13.7%だった。あくまで「過去1年間」に限った数字だ。

調査は、東京・名古屋・大阪の3大都市圏に住み、通勤・通学のため電車を利用している16歳以上の女性(2221人)らにインターネットを通じて実施した。女性回答者の年代の内分けは、10代5.8%、20代35.3%、30代34.6%、40代21.9%、50代2.4%、60代以上0%。

また、東京都が2004年11月に公表したアンケート調査結果によると、20〜30代の女性回答者(632人)の63.8%が、駅構内か電車内で痴漢にあった経験があると答え、「最近1年以内の被害」に限っても24.4%に及んだ。

なお、国民生活センター(独立行政法人)サイトには、2011年7月に東京地裁で判決が出た「女性専用車両の違法性を否定した事例」の概要が掲載されている。鉄道会社が女性専用車両を設置したのは正当、などとする内容だ。今回、28日放送の「グッディ」でも、同センターの判決掲載について触れていた。