18年度から量産するHV、PHV向けの「ワンモーターハイブリッドトランスミッション」

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 ドイツ連邦行政裁判所は27日、市中心部へのディーゼル車乗り入れ禁止につながる可能性のある下級審判決を支持する判断を下した。大気汚染物質の規制値を上回る独国内の約70の自治体が今後対応を迫られる可能性があり、数都市で一時的にのみ適用されるとしても、国内で使われている1000万台以上のディーゼル車保有者に影響が及ぶという見方も出ている。

 この問題ではシュツットガルト、デュッセルドルフなどの市が控訴していた。だが、ライプツィヒの連邦行政裁判所は市側の訴えを退け、二酸化窒素(NO2)の水準低下に向けた計画を練り上げるよう命じた。これを機にディーゼル車から電動車への移行が加速しそうだ。

「内燃機関+電動化」の仲間作り
  アイシン精機は2018年度中に、ハイブリッド車(HV)やプラグインハイブリッド車(PHV)向け新型変速機を量産する。自動変速機(AT)とモーター一つを組み合わせた製品で、モーターを二つ使う既存のHV用変速機より高速走行時の燃費が良く、簡素な構造。欧州や中国がエンジン搭載車の規制に動くが、同社は電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)への市場移行期に、HVやPHVが主流になるとみて、新モデルを市場投入する。

 新型変速機「ワンモーターハイブリッドトランスミッション」はグループ会社で、AT最大手のアイシン・エィ・ダブリュ(AW)が中心に開発して生産する。

 既存のATの一部分にモーターとクラッチを配置し、エンジンと変速機をクラッチで切り離すことでモーター走行する。生産規模は明らかにしていない。従来のATの生産設備を活用できるため、新規の設備投資は比較的少ないという。

 トヨタ自動車がアイシングループと共同で手がける既存のHV用変速機はモーターを二つ使う。HVシステムとしてはエンジンとモーターの両方を駆動力に使えるほか、モーター走行時も発電できるなどの利点がある。

 一方、新たに量産するモーター一つのタイプは既存のATと組み合わせるシンプルな構造。車メーカーは既存車の設計を大きく変えることなく、HVシステムを搭載できる。

 ATは足元では世界的な需要拡大が続いており、18年3月期に980万台の販売を見込む。ただ中長期では欧州や中国を筆頭にATを使わないEVへの需要シフトが予測され、AT需要は「20―22年頃にピークを迎える」(アイシン精機幹部)見通しだ。EVやFCVへの市場移行期はHVやPHVが主流になるとみて、中核部品を拡販する。

 アイシンはアイシンAWを含むグループ全体で電動化への対応を推進。EV向けにも使える電気式の四輪駆動(4WD)駆動ユニットやEV用モーターなども開発している。
日刊工業新聞2017年10月31日