関西学生ウエートリフティングの有力選手、大塚和(とも、21=びわこ成蹊スポーツ大)は半年前から毎日、納豆を食べ続けたことで体調の変化を感じている。

 滋賀・安曇川高で重量挙げに出会い、3年時には62キロ級で春の選抜大会と夏のインターハイの2冠を果たすなど、早くから頭角を現していた。しかし大学進学後は、期待に反して思うような結果が残せずにいた。62キロ級から69キロ級へ、高校時代から1つ階級を上げ、「なかなか体重が増えなくて苦しんだ」(大塚)からである。

■階級上げ、増量に苦しんだ

 そもそもなぜ階級を上げたのか、あるいは上げる必要性があったのだろうか。

 大塚 高校の時に肩などの故障が続き、競技を続けるには筋肉を増やし、身体を補強する必要がありました。高校と同じ階級では筋肉を増やすと体重オーバーになるため、必然的に階級を上げることになりました。小柄なので階級を上げると勝てないというリスクもありましたが、2024年に地元で開催される滋賀国体までは競技を続けたかったので…。

 現在の身長は、高校から約1.7センチ伸びて161.7センチ。体重は約7キロアップの69キロ。筋肉は脂肪よりも重量があるとはいえ、2センチ弱しか背が伸びていない中で、体重7キロの増量は予想以上に苦労したという。

 大塚 これまでの3食に加え、夜食や間食など食事の回数を増やしました。でも代謝がいいのか、体重はなかなか増えませんでした。それでも、胃に食べ物を入れられるかもと思った時は、即、何かを食べる(笑)という生活を続けました。

 アレルギー体質も苦戦した理由の1つだった。限られた食材の中で効果的だったのが白ご飯。1回の食事の摂取量を増やすなど努力し、大学3年間をかけて今の体重にこぎつけたという。

 大塚 練習後にプロテインを飲むこともありますが、できるだけ自然のものから筋肉の素となるタンパク質を取りたいと思って、半年くらい前からほぼ毎日、夜食で納豆を食べるようにしました。すると想定外というか、筋肉が付くだけではなく、体の調子が良くなって好不調の波が小さくなっていきました。

 「試合でも安定感が増した」と大塚は言う。昨年12月21、22日の関西学生選手権大会では、大学対抗では4位だったものの、個人ではスナッチ120キロ、ジャーク160キロ、トータル280キロで1位。大会記録も塗り替えた。

 大塚 体の調子が整うことで、大会結果の波も小さくなったと思います。納豆のおかげです。

 現在、オフシーズンを利用して「身体をいじめ抜いている」という大塚。3月10日に開幕する全日本学生個人選手権大会を経て、年間の最大目標である5月の全日本選手権に照準を合わせている。その先に6年後のパリ五輪という大きな目標がある。

 大塚 まず3月の全日本学生個人では表彰台に上がることを最低条件に、5月の全日本でしっかり上位を狙っていたいと思います。

 小さな力持ちの、五輪挑戦はすでに始まっている。【白井邦彦】

◆大塚和(おおつか・とも) 1996年(平成8)6月25日生まれ、滋賀県高島市出身。びわこ成蹊スポーツ大3年次生。レイクス・サポートアスリートとしても活動。17年は関西学生選抜と西日本学生選抜、関西学生選手権の3大会で優勝。全日本選手権6位などの成績を残した。161.7センチ、69キロ。

◆半年間納豆を食べたことによる体質改善のキーポイント

 大塚選手が納豆を毎日食べたことでどのような体内変化があったのか、管理栄養士の乳井美和子さん、小高鏡子さんにポイントをまとめてもらいました。

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 納豆菌は善玉菌の餌となり、悪玉菌を減少させる作用があります。アレルギー症状は悪玉菌が多いと出やすくなるので、腸内細菌のバランスを整えることで、アレルギー症状を引き起こしにくい体質に変化したのではないかと考えます。

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 発酵食品である納豆は、発酵前の大豆よりも消化吸収しやすいため、(アレルギーの観点では)アレルギー症状が出にくい形となり、タンパク質をはじめとする栄養素を吸収しやすくなります。体重の増加を促す作用があるとも考えられており、体重増や筋力増強を目指す方に適した食品でもあります。

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 医療現場では「酸化マグネシウム」として軟便剤が出されるように、マグネシウムは排便を促します。便通を良くすることで腸内環境が改善され、免疫機能を高めます。マグネシウムは心の安定にも作用する栄養素でもあり、アレルギー症状が改善されたことにプラスして不安感がなくなったとも考えられます。

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 納豆1パックあたりのビタミンK量は、1日分の摂取目安量以上が含まれています。カルシウムを骨に沈着させやすくさせ、骨を強化させます。

※大豆アレルギーの方は真似しないよう注意しましょう。同じ食べものを食べ続けることで食物アレルギー症状が出るケースもあります。アレルギー疾患には個人差があります。