By Kevin Gill

アポロ計画で人類が月面に降り立ってから50年の節目を迎える2019年に、Vodafone(ボーダフォン)とNokiaが協力して月面に4G通信ネットワークを構築するという「宇宙初」の試みを進めることが発表されました。

VODAFONE AND NOKIA TO CREATE FIRST 4G NETWORK ON MOON

http://www.vodafone.com/content/index/media/vodafone-group-releases/2018/vodafone-and-nokia-to-create-first-4g-network-on-moon.html

Moon to get first mobile phone network

https://www.reuters.com/article/us-telecoms-mobileworld-moon/moon-to-get-first-mobile-phone-network-idUSKCN1GB27A

2018年2月27日にボーダフォングループが発表したプレスリリースによると、Vodafoneは月面探査レースに参戦していたドイツのPTScientists(パートタイム・サイエンティスツ)のミッションをサポートする形で月面に4Gネットワークを構築する取り組みを進め、そのテクノロジーパートナーとしてフィンランドのNokiaを指名したとのこと。

PTScientistsはGoogle主催の月面探査レース「Google Lunar XPRIZE」にVodafoneおよびドイツの自動車メーカー・アウディとの協力のもと参戦していたチームで、日本から勝利を目指していたHAKUTOとライバル関係にありました。今回の4Gネットワークのミッションにおいては、SpaceXのFalcon 9ロケットに必要な機器が搭載されて2019年内にアメリカのケープカナヴェラルから打ち上げられる予定となっているとのことです。

このミッションのためにNokiaは特性の超小型・超軽量のネットワーク装置「Ultra Compact Network」をNokia Bell Labsで開発することになっており、1kg以下の重量に収めることを目指しているとのこと。月面に到着したUltra Compact Networkは現地で基地局となり、PTScientistsが開発した2台の「アウディ・ルナ・クアトロ・ローバー」用の通信拠点として用いられることになります。Ultra Compact Networkが地球と通信する方法はまだ検討段階のようですが、Vodafoneの研究では1800MHz帯の電波を使うことで通信を行えることが確実視されているとのこと。この通信チャンネルを使うことで地球から月面のローバーと通信を行い、ローバーが撮影した高画質な写真や動画を地球に向けて送信することになっています。



このミッションについて、ボーダフォン・ドイツのHannes Ametsreiter CEOは「このプロジェクトは、モバイルネットワークのインフラを構築する上で非常に革新的なアプローチを含んでいます。またこれは、独立し、いくつものスキルを持つチームが勇敢さとパイオニア精神、創作力を発揮して非常に重要な目標を成し遂げるという好例になるでしょう」と期待を述べています。PTScientistsの設立者でCEOでもあるRobert Böhme氏は、「これは太陽系のサスティナブル(継続可能)な探査を実現するための重要な一歩となります。人類が地球というゆりかごから旅立つために、我々は住みかである地球の外にインフラを構築する必要があります。LTEソリューションの優れている点は、通信にかかる多くのエネルギーを節約できるところにあり、節約された通信のためのエネルギーを、より多く科学に充てることが可能になります!」と語っています。

また、テクノロジーパートナーとして選ばれたNokia Bell LabsのMarcus Weldon氏は「このミッションにテクノロジーパートナーとして選ばれたことを喜んでいます。この重要なミッションは、将来のデータネットワーク、プロセッシングとストレージのための新しい宇宙基準のテクノロジーの開発をサポートし、学術界や産業界、教育機関などが月面調査を行うために必要な通信インフラを構築することに役立つでしょう。このような目標は多くのステークホルダーおよび全人類と潜在的に関わりを持つものであり、Vodafoneやその他のパートナーと2019年の打ち上げに向けて協力することを楽しみにしています」と述べています。