民間調査会社の矢野経済研究所は26日、新しいビジネスとして注目されている次世代養殖ビジネスに関する調査結果をまとめた。それによると、次世代養殖ビジネスの市場は2016年度の132億7500万円から、2021年度には53%増の203億2000万円に達することが分かった。同市場は、2016年度以前にはほとんど見るべきものがなかったことから、今後、大幅に拡大すると予測されている。

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 次世代型養殖市場は、ICT(情報通信技術)を活用したスマート水産、陸上養殖システム、低魚粉飼料の関連事業者の総売上高を指す。調査対象は、これらの3ビジネス分野に参入している事業者、企業、大学、関連官公庁、研究機関など。調査は、矢野経済研究所の専門研究員による直接面談、電話・e-mail等によるヒアリング調査および文献調査によって行われた。

 調査結果によると、2016年度の国内市場のうち、陸上養殖システム(掛け流し方式+閉鎖循環式)が39億5000万円、低魚粉飼料が93億2500万円である。スマート水産は、2016〜2017年は実証試験が中心のため、市場規模はほとんどゼロである。

 2021年度では、スマート水産が12億6000万円、陸上養殖システムは閉鎖循環式の普及に伴い80億4800万円、低魚粉飼料は110億1200万円に拡大すると予測されている。

 国内の水産業は、漁業就業者の減少と高齢化が加速しており、漁業生産力の低下が進むだけでなく、漁業者が担ってきた地域資源の監視や水産資源管理を支える活動にも支障が出ることが懸念されている。また、気候変動に伴う水産資源への影響も深刻化している。

 そうした現状から、近年、漁業関係者の間で、勘や経験に頼るやり方から、ICT技術による「見える化」「効率化」を目指した、いわゆるスマート水産や、陸上での養殖システムの導入が注目されている。