【ソウル聯合ニュース】日本の植民地支配に抵抗して1919年に起きた三・一独立運動を記念する韓国の「3・1節」の記念式典が3月1日に予定されており、韓日関係や北朝鮮との対話などに関する文在寅(ムン・ジェイン)大統領の演説内容に関心が集まっている。3・1節は光復節(8月15日、植民地支配からの解放記念日)と並び、韓国大統領が朝鮮半島の平和や周辺国との関係などについてメッセージを発する場と捉えられている。

 青瓦台(大統領府)関係者は27日、聯合ニュースの取材に、文大統領は自らの政策構想を折に触れて提示しているため、必ずしも3・1節に合わせて「メガトン級のメッセージ」を出す必要はないと考えているようだと伝えた。これを踏まえると、演説では南北の平和や韓日の問題などについて新たな構想を打ち出す代わりに、従来の原則を改めて示す可能性が高そうだ。

 文大統領は特に、韓日関係への言及に重点を置くとされる。南北の対話を進めながら米朝対話を取り持ち、これらの対話に関する事実上の中国の同意を取り付けるなど成果を出しているが、この過程で隣国の日本との意思疎通は皆無に近かったためだ。

 韓日関係は、韓国政府が旧日本軍の慰安婦問題を巡る日本との2015年末の合意について、今年1月に履行を事実上拒否する姿勢をほのめかしたことで、急激に冷え込んだ。康京和(カン・ギョンファ)外交部長官が合意の破棄や再交渉は求めないとしながらも「合意は慰安婦問題の真の解決にならない」と表明したことに、日本側は強く反発した。日本は、同問題の最終的かつ不可逆的な解決を確認した合意を「1ミリも動かさない」との構えだ。

 慰安婦問題ではあつれきが生じているものの、朝鮮半島の緊張を緩和する上では日本との協力が必要になり、文大統領が韓日関係にどの程度のトーンで言及するかが注目される。歴史問題と安全保障協力を切り離し、未来志向的な両国関係を築いていくという自身の構想を改めて強調し、関係改善の余地を残すとの見方も一部で出ている。

 文大統領は今月9日、平昌冬季五輪の開会式出席のため来韓した日本の安倍晋三首相と首脳会談し、慰安婦問題について「被害者の名誉と尊厳を回復し、その方々の心の傷が癒えた時に解決される」と述べ、安倍氏と衝突した。互いに譲らないこうした雰囲気が続けば韓日関係の改善はさらに遠のく恐れが大きく、文大統領もこれを考慮するとみられる。