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 働く人たちが置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を推進する「働き方改革」が話題ですが、それと同時に、オフィスでのスーツの選択肢をより幅広く、自由にする「服装改革」が起きていることをご存知でしょうか?

◆働き方改革で起こる!服装の自由化

 代表例が、夏季(5〜9月)のクールビズ、そして冬季(11〜3月)のウォームビズ! そう、今やスーツ着用を義務付けられているのは年間を通じ、たった2か月だけなのです。もちろん、職場・職種によってはこれらの施策に関係なく、いつでもスーツを着ている方もいるかもしれません。

 それでも、みなさんの実感として、ここ数年でカッチリとしたスーツを着る機会は大きく減ってきたのではないでしょうか?

 背景には2016年に閣議決定された「働き方改革」の影響があります。2017年6月、大手商社の伊藤忠商事がはじめた「脱・スーツデー」を皮切りとし、上場企業を中心に「カジュアルフライデー」が改めて注目されています。カジュアルフライデーとは企業で週に1度自由な服装での出勤を認める日のことです。

 これまでのべ4000人の買い物に同行し「服のビジネススキル」を追求してきた服のコンサルンタントである私が今回は「この20年のビジネスファッションの変遷と、その未来」についてお話しします。

◆スーツ量販店の「売り場面積」の変化に見る傾向

 2006年、私はクライアントとともに、ツープライススーツ量販店の「THE SUIT COMPANY」(青山商事)にはじめて訪れました。当時の渋谷店は、ビジネススーツを中心に、その周辺小物を扱っていましたが、今ほどジャケット・スラックスの種類は多くありませんでした。

 一方、現在では売り場面積の15〜20%にジャケット・スラックスを中心としたオフィスカジュアルのアイテムが展開しています。これは大手5社と呼ばれるすべてのツープライススーツ量販店でも同様で、もはやスーツというより、ビジネスファッションの店という表現が的確かもしれません。

◆職場の雰囲気を変えるカジュアルフライデー

 前述した伊藤忠商事の「服装改革」の歴史は古く、1995年春にはカジュアルフライデーをいち早く取り入れています。そして、さらなる「働き方改革」のアクションとして、2017年6月に「脱・スーツデー」を導入しました。これはジーンズ&スニーカーまで許容する大胆な施策です。

 もちろん、ジーンズブランドEDWINを抱える伊藤忠商事だからこそ、ジーンズのオフィス活用による需要拡大の流行を狙っているという意図もあるかもしれません。それでも、その後、いくつもの上場企業がカジュアルフライデーをこっそりと取り入れています。

 実際、2018年に入って、私自身もカジュアルフライデー導入に向けたドレスコードの選定やコンテンツ制作の依頼を受ける機会が増えてきました。会社が旗を振っているとはいえ、なぜ、これほどまで脱スーツの動きは浸透しているのでしょうか? そのカギが働く世代の人口変化にあると私は見ています。

◆クールビズ・ネイティブ世代の台頭

 2004年にクールビズが導入されてから14年が経ちました。つまり、入社14年を迎える36歳までの若手社員は入社時期からクールビズを知っているネイティブ世代なのです。常にスーツにネクタイを絞める着こなしではなく、季節・必要性に応じて着こなしを変えてきた世代なのです。

 このような身だしなみに対する意識が高い若手ビジネスマンが増えてきたからこそ、カジュアルフライデーのような施策が想像以上に加速しているのではないでしょうか? また、バブル世代を経験したお洒落にこだわりあるビジネスマンが役員になり、このような社内施策を積極的に取り入れているという環境もあるかもしれません。