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●「Galaxy S9」の印象はアップデート

2月25日、サムスン電子はスペイン・バルセロナで開催した発表会において、フラグシップスマートフォンの最新モデル「Galaxy S9/S9+」を発表した。

今年もバルセロナではモバイル業界最大の展示会「Mobile World Congress 2018」が開催される。熾烈な競争が続く世界のスマホ市場に向けて、サムスンがMWCにぶつけてきた2018年の最新スマホはどう進化したのか。

○「Galaxy S9」登場、S8をベースに機能強化

初代iPhoneの登場以来、10年に渡って拡大を続けてきた世界のスマートフォン市場だが、米IDCの調査では2017年第4四半期に初めてのマイナス成長を記録したことが注目を浴びている。

その中でもサムスンは2017年の年間出荷台数で21.6%のシェアを占め、世界1位を死守した。その一方でホリデーシーズンにはアップルの根強い人気が明らかになり、ファーウェイやOPPOといった中国勢にも追われている状況だ。

そのサムスンがMWC 2018にぶつけてきたのが「Galaxy S9/S9+」だが、その基本デザインはGalaxy S8世代から大きく変わっていない。最新プロセッサーやカメラ、スピーカーなどの機能を強化したモデルになる。

新機能も、全体的に他社の目玉機能を取り込んだ印象が強い。カメラにはメモリー内蔵型のイメージセンサーを採用し、毎秒960フレームの「スーパースローモーション撮影」に対応したが、これはソニーモバイルのXperiaシリーズが売りにしていた機能だ。

また、サムスンは発表会で拡張現実(AR)を大きく取り上げ、Galaxy S9では自分の顔の動きをアニメーションにできる「AR絵文字」を発表したが、これはアップルがiPhone Xと併せて導入した「アニ文字」に近い。

一方で、サムスンならではの工夫も感じられる。カメラのレンズは機械的に絞りを2段階に変える機能に対応し、さまざまな撮影環境に最適化できるという。AR絵文字では自撮りした顔をアニメ化し、汎用的なアニメーションGIF形式で共有できるため活用範囲が広い。

日々の使い勝手に関わる部分として、前モデルの不満点の1つだった指紋センサーの位置が本体背面の中央に変更された。サムスンによればユーザーの声を慎重に聞いてきた結果だという。

基本性能の高さはしっかり受け継いでおり、プロセッサーにはGalaxy Note8よりも新しい最新世代を搭載。鮮やかな有機ELディスプレイ、急速ワイヤレス充電に引き続き対応し、防水にも対応する。大きなサプライズはなかったが、Galaxyシリーズのユーザーが安心して買い換えられるアップデートという印象だ。

●サムスンが目指すPCの置き換え

○サムスンが狙う、スマホによるPCの置き換え

Galaxy S9の発表に併せて、サムスンは「DeX」についても機能を強化してきた。スマホを外部ディスプレイにつなげてPCのように使える機能で、キーボードやマウスを使って文書を編集するような仕事利用を視野に入れている。

Galaxy本体を接続するドックの新製品として、これまでのDeX Stationよりも安価で持ち運びやすい「DeX Pad」を追加した。その狙いは、スマホによる「PCの置き換え」だという。

今日、ビジネスの現場にPCは欠かせない存在だ。だがスマホも処理能力や通信性能は急速に高まっている。画面の小ささや操作性はスマホの弱点だが、外部ディスプレイやキーボードをつなぐことでそれを補っていこうというのが、DeXの基本的なアイデアだ。

PCを置き換えるには、ハードウェアだけでなく、アプリもPC並みに進化していく必要がある。日本では日本語入力の使い勝手も重要だ。今後もサムスンはDeXを中心に、パートナー連携を引き続き強化していくという。

踊り場を迎えつつあるスマホ市場だが、PCの置き換えを目指して用途を拡大していくことで、本格的にPC市場に食い込めるか、という視点にも注目したい。