日経平均が上にも下にも動きにくいとき、活躍する株とは?(写真:よっちゃん必撮仕事人 / PIXTA)

前週末23日のニューヨーク(NY)ダウは347ドル高の2万5309ドル、ナスダックは127ポイント高の7337ポイントと大幅反発した。

株価の帰趨を決めると注目されているジェレミー・パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の議会証言の重要な参考資料になる「金融政策報告書」が同日発表になったが、「緩やかな利上げ」が強調されていた。これによって「利上げペースが加速するのでは」との市場の懸念が和らいだ。

パウエル議長はこの報告書に基づいて証言すると言われており、証言を待たずして、金利低下・株買いとなった。NYダウは1月26日の史上最高値2万6616ドルから2月8日の2万3860ドルまで、パウエル体制の不透明感を原因の1つとする金利上昇で大きな調整となった。だが、この動きにより2万5000ドルの下値モミ合い圏を脱すると見る市場の声が多くなった。

パウエルFRB議長「証言前倒し」の理由とは?

そんな中、米下院金融サービス委員会は突然パウエル議長の議会証言を従来予定の28日から1日前倒しして27日に実施すると発表した。

日程変更の理由は単に議会日程の都合によるものと思うが、不安定な米国株に対する政権側の配慮かも知れない。前述のように、先週末のFRB金融政策報告書によって株価は反転の構えを見せているが、さらにパウエル議長の生の声でそれが確固たるものになることが考えられる。

今の米国経済は、トランプ政権の10年で1.5兆ドルの巨額減税と、FRBのテーパリング(緩和縮小)と言う、言わばアクセルとブレーキが同時に踏まれた領域に突入しようとしているわけで、市場に密着した細やかな金融政策が必要だ。一つさじ加減を間違うと、再度ダメ押し的な波乱が起きる可能性があるだろう。

ただ筆者は、企業業績の順調さと、3000億ドルとも言われる税還付がすでに始まっており、例年通り5月に向けて米国株式市場は上値トライの時間軸に入って行くと思っている。

一方の日本株はどうか。日経平均株価は、前回のコラム「今回の株価崩落は大規模ショックの前兆か?」で書いた通り、黒田東彦・日銀総裁の続投が確実になり、予想EPS(1株利益)は史上最高水準で、何も怖いものはない。

日経平均2万3000円突破には時間を要する

ただし、予想外のドル安円高で上値を押さえられている新事実に直面している。

ドル円相場はドナルド・トランプ大統領が勝利した2016年11月からのドル高で1ドル=118円台を付けて以来、じり安にはなっていたが、おおむね108円前後で反発し、株価との連動性も薄れていた。

しかし逆に、2月の波乱はドル円と株価との連動性を強め、水準も108円で日経平均2万2000円台のセンチメントを作ってしまった。特に今回の急激な円高で、再び108円台からの円安にはかなりの時間を要することは、チャートからも明白だ。ドル円と株価との連動性が変わらない限り、2万2000円台から2万3000円台を買い上がるにはこれも時間を要すると考えるのが妥当だ。

また株価チャートを見ると、2月6日の急落時に出来た前日とのマド(大きな価格差ができたことで2つのローソク足に空間ができること)と、下降している25日移動平均線が「圧迫感」を示している。マドはそのゾーンの調整未消化を、25日移動平均は戻り売りのエネルギーがあることを示す。

数字で言えば、窓のゾーンは2万2277円―2万2659円、25日移動平均は2万2300円前後(週央の推定値)だ。

しかし、筆者はこれに対しても、楽観的に見ている。個人投資家の売買動向は週間では歴史的な買い転換になり、「凍結」していたMRF(オープン型の公社債投資信託、待機資金の代表格) 13兆円が動き出したからだ。投資信託には新規資金が集まっている。結果的に上記のポイントを、時間をかけてこれから抜いて行くと思っている。そしてその中心になるのが中小型株だ。全体相場が「売り難く買い難い時」が中小型株の「適温相場」だからだ。

今週の日経平均予想レンジは、2万1600円―2万2400円とする。