道路の一部を占拠し、反対運動を展開している最大野党の「自由韓国党」=25日、坡州(聯合ニュース)

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【ソウル聯合ニュース】25日午前10時ごろ、平昌冬季五輪の閉会式に出席する北朝鮮の高官代表団が朝鮮半島北西部の京義線道路を通ってソウル北方の韓国・都羅山にある南北出入事務所に到着した。代表団は団長の金英哲(キム・ヨンチョル)朝鮮労働党副委員長兼統一戦線部長をはじめ李善権(リ・ソングォン)祖国平和統一委員会委員長ら8人からなり、この日午後8時に始まる平昌五輪閉会式に出席する。27日までの韓国滞在中、文在寅(ムン・ジェイン)大統領や韓国政府高官らと相次いで会談するとみられる。

 代表団には核問題と米朝対話を担当する外務官僚も含まれているとされることから、韓国との関係改善だけでなく、北朝鮮核問題に関する議論も行われるとの見方が出ている。特に米国のトランプ大統領の長女、イバンカ大統領補佐官らも閉会式に合わせて来韓していることから、韓国政府の仲立ちにより水面下で米朝が接触するかどうかに注目が集まる。

 北朝鮮は平昌五輪の開会式(9日)に合わせ金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の妹、金与正(キム・ヨジョン)氏らを派遣したのに続き、閉会式にも高官代表団を韓国に送った。

 ただ、今回の代表団には2010年の韓国海軍哨戒艦「天安」撃沈事件を主導したとされる金英哲氏が含まれていることから韓国内では反対する声も根強い。前日に同事件の犠牲者の遺族らが同氏の来韓に反対する声明を発表。保守系最大野党の「自由韓国党」は前夜から軍事境界線に近い統一大橋の道路の一部を占拠し、反対運動を展開している。哨戒艦撃沈事件では46人が犠牲となった。

 韓国政府は金英哲氏の来韓に関連して、「(撃沈事件に関し)具体的にどんな人物、どんな機関が主導したかは特定できなかった」とした上で、「北が高官代表団の訪韓目的を閉会式参加としたことや、代表団の訪問を通じて南北関係の発展や朝鮮半島の平和定着を巡る対話と協議の機会が設けられることなどを総合的に考慮し、金副委員長の訪韓を受け入れることにした」と説明。同氏の来韓に反対する一部世論に配慮し、記者団に説明資料を配布するという異例の対応も取った。